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バロック、インスブルック音楽紳士録、パンドルフィのソナタ集。 [2013]

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バロック期、イタリアの教会は、音楽センターだった!と言われても、ちょっとイメージし難いかもしれない。けれど、対抗宗教改革によって、なりふり構わず?音楽の力(は、今以上にインパクトがあったのかも... )を以ってして、人々を囲い込もうとした教会の方針が、結果、教会を音楽センター化させることに... さらにモノディーの発明(本来は極めて世俗的なものだったけれど、聖書をより力強く伝えるには最高の新技術!)が重なり、楽器の進化(パイプ・オルガンはもちろん、何と言っても一番は、ヴァイオリンの完成と、それに伴う弦楽合奏の充実!)も重なり、音楽センターは、ますます輝き、それによって、音楽もまたさらに進化を遂げて行く。で、おもしろいのは、ミサやオラトリオといった、典礼や聖書を歌うものばかりでなく、直接的にはキリスト教と関係の無い、器楽曲も充実していたこと!ということで、かつて教会を彩った器楽曲、教会ソナタに注目してみる。
グナール・レツボールのバロック・ヴァイオリンと、彼が率いるピリオド・アンサンブル、アルス・アンティクァ・オーストリアの演奏で、イタリア・バロックのヴァイオリニスト、パンドルフィの『教会と室内のためのソナタ集』、Op.3(ARCANA/A 369)を聴く。

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生誕200年、グヴィ、国境を越えて、全てを呑み込んだ先... [2013]

19世紀は、クラシックの名曲の宝庫!なのだけれど、名曲に集約し過ぎる帰来があるのか... だから、意外と広がりが感じられない。いや、様々な個性が炸裂した19世紀だけに、名曲のすばらしさに留まっていては、勿体ない気がする。何より、政治、産業、数々の革命に彩られ、躍動した時代の気分というのは、名曲を少し外れたところでこそ感じられる気がする。エンターテイメントとなったヴィルトゥオーゾたちの妙技!ブルジョワたちが資金を注ぎ込んで、それまでになく金ピカな舞台で彩られたオペラハウス!植民地の拡大と万博が炊き付けたエキゾティシズム!浮かれた時代のバブリーなサウンド!放置される社会の歪への痛烈な風刺!19世紀の魅力は、ある種、禍々しさにあるのかなと... いや、立派な名曲の押しの強さにさえ、どこか禍々しさを感じる。そんな、タフな時代だったからこそ、忘れられてしまった存在も多いのかなと... グヴィもまたそう...
ということで、前回に引き続き、生誕200年、フランスとドイツのハーフ、グヴィ(1819-98)に注目!ジャック・メルシエの指揮、ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、グヴィの交響曲、4番(cpo/777 382-2)と、6番(cpo/777 380-2)を聴く。

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ロッシーニのナポリ時代、オペラ・セリア、集大成、『セミラーミデ』! [2013]

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冬らしく、寒くなって参りました。すると、年の瀬なんだな、という気分になって来ます。そうして、2018年が過ぎゆくのを噛み締める... こんな年、早く終わっちまえ(って、未だにそう思わせることが、日本で、世界で、起こるのだよね... ため息... )!と、思い続けて、年の瀬に至って、それだけのことがあった2018年を、今は、噛み締めるような感覚もあるのかなと... いや、これが年の瀬の心境なんだろうなと... 先日、流行語大賞、「そだねー」に決まりましたが、この語を生んだ2月のピョンチャンが、もんの凄く遠く感じられる(そもそも、かの国が、遠くに感じられる。そして、遠い国に、遠い目しか向けられない... 今... )。いや、まさに、この遠さにこそ、ありとあらゆることが押し寄せて来て、うわーっとなっていた2018年を思い知らされる。なればこそ、「そだねー」の語が、沁みる。女子カーリング日本チームを銅メダルに導いた、ネガティヴを断ち切るための「そだねー」は、流行語というより、2018年を呑み込むための、魔法の言葉に思えて来る。まさに、今、求められる言葉... そだねー、そだったよねー、と、2018年を振り返れば、よりポジティヴに2019年へと踏み出せそうな気がして来る。
さて、先月後半から、絶賛、メモリアル巡礼中の当blog... 再び、2018年の顔、没後150年のロッシーニへと還る。アントニオ・フォリアーニの指揮、ヴィルトゥオージ・ブルネンシスの演奏、アレクサンドリナ・ペンダチャンスカ(ソプラノ)のタイトルロールで、ロッシーニのオペラ『セミラーミデ』(NAXOS/8.660340)、ドイツ、ヴィルトバートのロッシーニ音楽祭のライヴ盤で聴く。

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カリッシミ、オラトリオ全集。 [2013]

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ギリシア悲劇の復活を目指したオペラの誕生と、聖書や聖人の物語を音楽に落とし込んだオラトリオの誕生は、聖俗で対を成して、音楽におけるバロックの到来を象徴する。のだけれど、オペラの誕生が、クソ野郎の暗躍なども含め、その過程が詳細にわかる一方、オラトリオの誕生は、何ともぼんやりとしている。で、そのぼんやりしたあたりを、必死に目を凝らして覗いてみるのだけれど、覗けば覗くほど、どこからがオラトリオなのかがわからなくなって来る。そもそも黎明期のオラトリオは、「オラトリオ」と銘打たれていなかったり... そういうユルさに出くわすと、厳密にはオラトリオではないとされる、前回、聴いた、カヴァリエーリの『魂と肉体の劇』が、最初のオラトリオでもいいような気がしてしまうのだけれど、オラトリオという言葉の成り立ちをつぶさに見つめると、『魂と肉体の劇』とは違う系譜が浮かび上がって来る。もちろん、『魂と肉体の劇』は、後のオラトリオの誕生に大きな刺激を与えたことは間違いないのだけれど... ということで、オラトリオ黎明期を彩った作曲家に注目してみる。
17世紀、カヴァリエーリ亡き後の時代、ローマのイエズス会、ドイツ人学校の楽長を長年務め、やがてヨーロッパ中にその名声が広まったローマの大家、カリッシミ(1605-74)!フラーヴィオ・コルッソ率いる、イタリアの古楽アンサンブル、アンサンブル・セイチェントノヴィチェントによる、カリッシミのオラトリオ全集(Brilliant Classics/BRL 94491)、9枚組を聴く。

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ルーセンベリ、ラーションのピアノ作品。 [2013]

クラシックで「北欧」というと、ノルウェーのグリーグ(1843-1907)、フィンランドのシベリウス(1865-1957)が、やっぱり二枚看板。そこに、デンマークのニールセン(1865-1931)がスパイスを効かせる感じ... となると、スウェーデンは?ステーンハンマル(1871-1927)、アルヴェーン(1872-1960)の名前が知られるわけだけれど、グリーグ、シベリウス、ニールセンに比べると、インパクトに欠けるような... とはいえ、スウェーデンの音楽が他の北欧の国に比べて魅力に欠けるなんてことはまったく無い。というより、「北欧」というイメージでまとめやすい北欧の音楽にも、それぞれに個性が光っていて、そのあたりを丁寧に見つめると、北欧という土地の広がりが窺えて、実に興味深い。大海原の豪快さ、鮮烈さを感じるノルウェーの音楽、大陸的なスケールを感じさせるフィンランドの音楽、そして、国破れて文化あり、仄暗いデンマークの音楽、でもって、スウェーデンは?
ということで、スウェーデンのピアニストによる20世紀のスウェーデン!アンナ・クリステンソンの演奏で、ルーセンベリのピアノ作品集(CAPRICCIO/C 5116)と、ハンス・ポルソンの演奏で、ラーションのピアノ作品集(BIS/BIS-CD-758)の2タイトルを聴く。

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ワーグナー、さまよえるオランダ人/ディーチュ、幽霊船。 [2013]

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さて、夏と言えば、怪談ですよね。いや、恐い話し大好き!なぜって、怪異の在り様が、常識の斜め上を行って、創造性を刺激してくれるから... そんな恐い話しにワクワクしてしまう!ところで、クラシックなのだけれど、このジャンルに、どこか怪談めいたものを感じることがあるのです(とか言っていること自体が、もはや、怪談... 常識の斜め上を行っている自覚アリ... )。何しろ、100年も、200年も、300年も前に、場合によっては、それ以上前に作曲された作品が、現代を生きる音楽家たちの手によって、瑞々しく蘇るわけです。これって、幽霊に似ている気がする。ふわっと現れて、かつての時代の佇まいを現代の聴き手に示し、作品が終われば消えてしまう(となると、コンサートは、まさに降霊会... )。そんな作品の数々の集合体である、音楽史は、壮大なる因縁話にも思えて来る(ま、歴史とは因縁話そのものだけどね... )。そんな風にクラシックを捉えると、俄然、ワクワクして来ない?なんて、寝言(きっと、暑さのせいです... )は、さて置き、幽霊船のオペラを聴きます!
マルク・ミンコフスキ率いる、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルの演奏で、同じ題材による因縁孕んだ2作品、ワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』と、ディーチュのオペラ『幽霊船』を、大胆にも並べてしまうという驚くべき4枚組(naïve/V 5349)を聴く。

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シューベルト、グレイト。 [2013]

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先日、本屋をふらぁ~っとしていたら、お清めになるという"音"を収録したCD付きの本を発見して、驚いた。いや、おもしろい!神社にお参りした時、パンっ、パンっと柏手を打つのは、その場の空気(前の人の願い事やら、何やら、いろいろ残っている思念?みたいなの... )をリセットする意味合いがある、というような話しを聞いたことがあるのだけれど、パンっという衝撃音が空気を震わせることで、場を浄めるというのは、結構、物理的に理に適っているような気がする。例えば、メガネ屋さんの店先で見掛ける、振動でメガネを洗浄する機械があるように、音=空気の振動で以って、空間を洗浄するというのは、アリなんじゃないかなと... とすると、音楽だったならば、よりそうした効果が見込めるんじゃないか?ということで、ニュースを見ていると、ゴミ溜めの中にいる気分にさせられる不浄極まる今日この頃を浄めるために、音楽を聴く。で、より高い浄化能力を持つ音楽は何だろう?と、いろいろ考えてみるのだけれど、やっぱり絶対音楽かなと... それも、パワフルな交響曲とか...
で、モーツァルトの「ジュピター」に続いて、シューベルトの「ザ・グレイト」で、浄化。デイヴィッド・ジンマンが率いたチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏による、シューベルトの8番の交響曲、「ザ・グレイト」(RCA RED SEAL/88697973982)を聴く。

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太陽王の宮廷の記憶を呼び覚ます、クープラン、王宮のコンセール。 [2013]

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フランス・バロックの中心にいた3つ違いの2人の作曲家、ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665-1729)と、クープラン(1668-1733)。女性であったがために、宮廷でのポストは望めなかったものの、なればこそ、クラヴサンのヴィルトゥオーザとして、フリーの作曲家として、パリの音楽シーンで思うまま活動できたジャケ・ド・ラ・ゲール。一方のクープランは、シャペルのオルガニストとして、シャンブルでクラヴサン奏者として、宮廷で活躍する栄誉を得たものの、なればこそ、活動に制約ができてしまったか... この2人を並べると、実に興味深い。アーティストと音楽官僚?そんな風に見つめると、それぞれの音楽からは、それぞれの立場が浮かび上がるようで、おもしろい!アーティストとして自らの感性を貫けたジャケ・ド・ラ・ゲールの音楽の潔さに対し、宮廷の趣味とやりたいことの狭間に立って、どこか折衷的なクープランの音楽の曖昧さ... なんて書くと、クープランに分が悪いようだけれど、その曖昧さにフランスらしさが育まれ、ナイーヴなロココへと至らしめるのか...
ということで、アーティスト、ジャケ・ド・ラ・ゲールに続き、音楽官僚、クープランに注目。リュック・ボーセジュール率いる、カナダのピリオド・アンサンブル、クラヴサン・アン・コンセールの演奏で、クープランの『王宮のコンセール』(ANALEKTA/AN 29993)を聴く。

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ベートーヴェンという人生の変奏の行き着いた先... [2013]

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ポスト・モーツァルトの時代を、ベートーヴェンの5つのピアノ協奏曲で巡って来て、前回、ロッシーニの登場に注目してみたのだけれど... ナポレオンが去って、ロッシーニがやって来た。スタンダールの言は、まさにだなと感じる。ナポレオン戦争の荒ぶる時代を体現したベートーヴェンに対して、ナポレオン敗退後、ウィーン体制による保守反動の時代を席巻した若き才能、ロッシーニ。18世紀、ナポリ楽派の伝統を踏襲するその音楽は、保守的な時代の気分に応えつつ、若々しい軽快さが、反動による停滞に、爽やかさをもたらしたか... ロッシーニの音楽を改めて見つめると、その時代に、絶妙にフィットしていたことが窺える。一方で、ロッシーニの時代に晩年を迎えたベートーヴェンは、大いに苦しむことになる。が、苦しんで至る境地があって、楽聖なのだなと...
ということで、ベートーヴェンの晩年、まさに苦しんで至った境地を象徴するような音楽、ベートーヴェンのディアベリ変奏曲。アンドラーシュ・シフが、モダンのピアノと、ピリオドのピアノを用いて弾き分ける、大胆な2枚組(ECM NEW SERIES/4810446)を聴く。

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ベルカント・オペラ?リソルジメント・オペラ、ノルマ! [2013]

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日本が地震大国だということは、当然のこととして認識しているわけだけれど、またも大きな地震があると、ちょっと挫けそうになります。それでもね、前に進むしかないわけで、そうして歩んで来た日本であって、2011年からの5年であって、熊本で避難を余儀なくされているみなさん、ささやかながら、ここ東から、一日も早い復旧を、心から願っております。何より、早急に余震が収まりますよう、願っております。さて、何を取り上げようか、迷ってしまう。そもそも、音楽のことなどを書くべきか、考えてしまう。けれど、ここはひとつ、あえて、予定通りに、『アイーダ』に続いての、『ノルマ』... いや、改めて聴いてみると、元気付けられるオペラであって、パワフル!こういう時だからこそ、挫けない音楽が沁みるのかも... そんな、力強いプリマが一本筋を通すオペラ!
バロック・ロックの鬼才、ジョヴァンニ・アントニーニの指揮、チューリッヒ・オペラのピリオド部隊、オーケストラ・ラ・シンティッラの演奏、チェチーリア・バルトリがタイトル・ロールを歌う、刺激的なベッリーニのオペラ『ノルマ』(DECCA/478 3517)を聴く。

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