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新しい時代、令月風和む詩情礼賛!詩神ポリムニの祭典。 [2014]

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令和はどんな時代になるのだろう?と考えて、すぐに思い付くのは、AI... 否が応でもその存在が高まることは間違いない。けれど、現代人のAIに対するイメージは懐疑的。そもそも信頼していない。あるいは、人間の悪い癖で、"万物の霊長"という上から目線が、優れたものは必ず人間に似ているはず... という自意識過剰に絡め取られて、AIのイメージを歪めてしまっているように思う。しかし、AIは、こども騙しでもなければ、人間のように愚かしくもあり得ない。0か1かのデジタルによる計算(量子コンピューターが実現すれば、0と1なんてもんじゃない凄い世界が拓ける!)が生み出す確率が全て... それは、『ターミネーター』だとか、『マトリックス』のような恐ろしいイメージではなく、エヴァのマギ・システムや、『her/世界でひとつの彼女』のOS、サマンサみたいなものになるのだろう。そんなAIがガイドする、感情に左右されない、効率的でスマートな世界が実現されて行く中で、さて人間はどう生きる?そこで求められるのが、"情緒"、なのかなと... それを象徴的に物語っているのが、「令和」、という言葉のように感じる。これまでの漢籍による堅苦しい元号から、万葉集という歌集を典拠とする極めて情緒的な元号が選ばれた驚くべき革新!そこには、人間としてAIの時代をどう生きるべきかが示されているかのように思えて... 令月風和む... 月を見上げて、その凛とした美しさを味わえる、風が和んだことを鋭敏に感じられる人間となれ... AIが社会を補完する時代、人間はクリエイティヴに生きてこそ、なのだと思う。
ということで、新しい時代、令和を音楽で寿ぐ!山田耕筰ヒンデミットに続いてのラモー... ジェルジュ・ヴァシェジ率いるオルフェオ管弦楽団の演奏、ヴェロニク・ジャンス(ソプラノ)らの歌による、ラモーのオペラ・バレ『詩神ポリムニの祭典』(GLOSSA/GCD 923502)を聴いて、令和の典拠、万葉集にオマージュ(詩神ということで、ほとんどこじつけ... 汗... )を捧げる!

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ロマン主義を古典美に昇華する、シュポーア、『最後の審判』。 [2014]

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さて、桜、見て来ました!でもって、何だかフワァーっとしてしまう(って、飲んではいませんよ... )。いや、桜には、ある種の陶酔を引き出す、何かがあるような気がする。とかく、情緒やら、その精神性について語られることの多い桜だけれど、実際に、その姿を前にすると、理屈抜きの多幸感に包まれるようで... 桜の下のドンチャン騒ぎも、日本人に限らず、桜に熱狂してしまうあたりも、桜という木が持つ某かの力を感じてしまう。そもそも、木が丸ごと花だらけって、ちょっと尋常じゃない... ほんのり桜色とかで、巧みにごまかされているけれど、桜という花木は、どこか超現実的な気がしてしまう。ぱっと散ってしまうところも、夢幻を見るようで、超現実感を際立たせるし... 何よりも、その中毒性たるや!何だかんだで、毎年に見に行っている... 毎年、同じなのに... 美しいものを愛でる、というのは、当たり前にしても、桜には、それ以上の何かがあるのかも?そんなことをふと思った平成最後の桜、花見(って、桜じゃなくて、梅だけど... )の扉書きに因む新元号、令和の発表もあり、いつもより、桜パワーが効いて、よりフワァーっとしてしまったか?いやいやいや、気を引き締めて行かねば!まだまだ四旬節期間中(思ったより長い印象... )であります。ということで、ガツンと気を引き締めるために、カタストロフ...
前々回、アイブラーに続いての終末オラトリオ... フリーダー・ベルニウス率いる、シュトゥットガルト室内合唱団、ヨハンナ・ヴィンケル(ソプラノ)、ソフィー・ハームセン(アルト)、アンドレアス・ヴェラー(テノール)、コンスタンティン・ヴォルフ(バス)、そして、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の演奏で、シュポーアのオラトリオ『最後の審判』(Carus/83.294)を聴く。

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いろいろあって、ローマ、修道院にて... ベートーヴェンと向き合うリスト、 [2014]

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1月も終わりが見えて参りました。てか、早い!何だか、お正月がもの凄い勢い遠ざかっている感じ... いや、2019年は、まだ始まったばかりだけれど、平成は刻一刻とその終わりへと歩みを進めているわけで、始まったばかりなのに、終わりに向かうという、不思議な感覚。こんな感覚、もう二度と体験できないだろうなァ。そうした中、トランスクリプションに注目しております。中世の聖歌を弦楽四重奏で奏でると、まるでミニマル・ミュージックのように響き... ラヴェルのピアノ作品、クープランのクラヴサン曲集をアコーディオンで奏でると、時代を越えて通底するフランスらしさが浮かび上がり... ドメニコ・スカルラッティの鍵盤楽器のソナタをヴァイオリンで奏でれば、先進的だったドメニコの音楽に古風な表情が見て取れて... 奏でる楽器を変えることで生まれるケミストリーのおもしろさ!そして、演奏家たちのトランスクリプションの妙に感心。いや、トランスクリプションは刺激的。時代が改まろうという中で聴くからか、余計に変容することが刺激的に感じられる?のかも...
さて、トランスクリプションの"古典"を取り上げたいと思います。リストによるベートーヴェン!異才、ユーリ・マルティノフがピリオドのピアノで弾くリスト版のベートーヴェンの交響曲のシリーズから、「英雄」と8番(Zig-Zag Territoires/ZZT 336)を聴く。

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没後50年、リャトシンスキー。 [2014]

メモリアルを派手に祝われる大家の一方で、メモリアルを切っ掛けに、再発見する作曲家もいる。いや、普段、なかなか注目され難いマニアックな存在こそ、メモリアルの意味合いは重要になって来ると思う。でもって、当blog的には、マニアックなメモリアルこそ祝いたい!ということで、没後50年のピツェッティ(1880-1968)、カステルヌウォーヴォ・テデスコ(1895-1968)、生誕100年のツィンマーマン(1918-70)と、注目して来たのだけれど、いずれもメインストリームから外れた存在で、普段ならスルーされがち?なのだけれど、改めて見つめるその存在は、思い掛けなく味わい深かったり、インパクトを放っていたりで... またその音楽に、より時代を感じるところもあって... いや、この3人が歩んで来た激動の20世紀に、感慨を覚えずにいられない。そして、翻弄される作曲家たちが愛おしくなってしまう。で、もうひとり、激動の20世紀を生き作曲家に注目してみる。
没後50年を迎える、ロシア革命の混乱を乗り越え、ソヴィエトを生きた、ウクライナの作曲家、リャトシンスキー... テオドレ・クチャルの指揮、ウクライナ国立交響楽団の演奏による、リャトシンスキーの全5曲の交響曲、1番(NAXOS/8.555578)、2番と3番(NAXOS/8.555579)、4番と5番、「スラビャンスカヤ」(NAXOS/8.555580)の3タイトルを聴く。

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バッハ、平均律クラヴィーア曲集、第1巻。 [2014]

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10月は、「癒し系」で、癒される。ということで、不眠症の伯爵のための睡眠導入剤、バッハ、ゴルトベルク変奏曲に始まり、中世に、ロマン主義に、日本からアラスカまで、様々に「癒し系」を探り、巡って来たのですが、改めて「癒し系」クラシックという在り方と向き合って、いろいろ見えて来ることもあり、実に興味深かったなと... 普段、「癒し系」だなんて、クラシックのコアなあたりからすると、馬鹿にされがちではありますが、クラシックに癒される現代という逆の視点を持つとまた新たな風景が広がるのかもしれません。いや、音楽とは、そもそも癒しなのではないだろうか?音楽ばかり聴いていられない環境を生きるのが人間であって、そうした中で傷付き、歪み、疲れたところに、音楽はその心に寄り添い、鼓舞し、整え、癒して来たのでは?中世における、ムジカ・フマーナ(人間の身体を調律する音楽)の考え方が、今は、もの凄くしっくりと来る。こういう、今は失われてしまった考え方を意識すると、クラシックのみならず、音楽全体に、また新たな可能性が拓けて来るような気がする。
そんな心境を以って、再び、音楽の父、バッハへと還る。ピエール・ロラン・エマールのピアノで、バッハの平均律クラヴィーア曲集、第1巻(Deutsche Grammophon/479 2784)。今、改めてこの音楽に触れてみれば、中世の音楽の思想を見出すのか...

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ジョン・ルーサー・アダムズ、ビカム・オーシャン。 [2014]

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秋バテどころか、どうも2018年にもバテている?ということで、10月は、「癒し系」で、癒され中であります。さて、ポスト・クラシックという位置付けになるのか、ヒーリング・ミュージックやニュー・エイジ、アンビエント・ミューシックや環境音楽も一緒くたになって紹介される帰来のある、「癒し系」としてのクラシック。一般からしたら、クラシックも、ポスト・クラシックも、似たような印象になってしまうのだろうな... いや、あり得ん!確固たるクラシックを信じている立場からすると、怒り心頭?いやいや、そんな石頭だと、ますますクラシックは嫌われてしまう... いやいやいや、クラシックというジャンルを形成した音楽史を振り返れば、まさに異ジャンルとのフュージョンの歴史であって、ラプソディー・イン・ブルーとか、今じゃ、古典よ!ならば、クラシックとポスト・クラシック、一緒くたになって、新たな音楽が生み出されたら、おもしろいんじゃね?シンフォニックな「癒し系」とか...
という、無謀な問いを立てて聴いてみる、もうひとりのジョン・アダムズ。ルドヴィク・モルロー率いる、シアトル交響楽団の演奏で、アラスカの大自然に抱かれて作曲する、ジョン・"ルーサー"・アダムズ(b.1953)のビカム・オーシャン(cantaloupe/CA 21101)を聴く。

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カッチーニ、エウリディーチェ。 [2014]

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さて、9月です。学校では、新学期がスタート、クラシックでは、新たなシーズンが開幕、そんなリスタートに相応しい音楽を聴いてみようかなと... で、今年、没後400年のメモリアルを迎えるカッチーニに注目!イタリア古典歌曲の定番の作曲家だけれど、お行儀良く、お上品に、楚々と歌われるイタリア古典歌曲の印象からか、クラシックにおけるカッチーニの存在感は、同時代を生きたモンテヴェルディに比べると、インパクトに欠ける。が、音楽史から見つめれば、カッチーニの功績はただならない。モノディーの発明により、現在に至る音楽の在り方を示し、モンテヴェルディの先を行って、バロックの扉を開いた人物。その扉を開くにあたって伝えられる人物像は、またインパクトのあるもので、実に興味深い。ということで、バロックへの扉、オペラ誕生に迫る。
リナルド・アレッサンドリーニ率いるコンチェルト・イタリアーノの演奏、シルヴィア・フリガート(ソプラノ)のエウリディーチェ、フリオ・ザナージ(バリトン)のオルフェオで、現存最古のオペラ、カッチーニのオペラ『エウリディーチェ』(naïve/OP 30552)を聴く。

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四季、リコンポーズド・バイ・マックス・リヒター。 [2014]

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さて、8月が終わります。まだまだ暑いものの、天気予報では秋雨前線(いや、また大雨となっている地域があり、心が痛みます... )という言葉が聞かれ始め、来月になれば、気温も落ち着くような話しもチラホラ... あれだけ暑かった夏も、また秋へとうつろうのですね。で、何となしにセンチメンタル。冬の終わりは、春を迎えるワクワクとした気分に包まれるものですが、夏の終わりは、どこか寂しげ... お盆も過ぎると、少しずつ影が伸びて、燦々と輝いていた太陽は、どこかへ遠ざかってしまような、何とも言えない心細さを感じることがある。秋が嫌いなわけじゃないけれど、夏が行ってしまうことに、妙な喪失感。これって、夏休みの遠い記憶だろうか?三つ子の魂百までじゃないけれど、こどもの頃に刷り込まれた夏休みの特別感は、どこかで今も生きている気がする。その特別感が、今、去ろうとしている。ということで、季節の変わり目に、季節そのものを聴いてみたいと思う。
ダニエル・ホープのヴァイオリン、マックス・リヒターのシンセサイザー、アンドレ・ド・リダーの指揮、ベルリン・コンツェルトハウス室内管弦楽団の演奏で、マックス・リヒターによるリコンポーズ、ヴィヴァルディの『四季』(Deutsche Grammophon/479 2779)を聴く。

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マーラー、「巨人」、1893年、ハンブルク稿。 [2014]

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アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725)がオペラの序曲として確立したイタリア式序曲(急―緩―急の3楽章構成のような形... )に遡る交響曲の歴史... シンフォニアと呼ばれたイタリア式序曲は、やがてオペラから独立し、サンマルティーニ(ca.1700-75)ら前古典派の手で丁寧に育まれ、われわれの知る「交響曲」に成長。18世紀末、古典主義の全盛期、モーツァルト(1756-91)の「ジュピター」(1788)、ハイドン(1732-1809)のロンドン・セット(1791-95)によって、最初の頂を迎える。が、19世紀初頭、ベートーヴェン(1770-1827)の登場で、新たな方向性がもたらされる。で、その方向性の先にあったのが、19世紀を象徴するロマン主義... なのだけれど、絶対音楽=交響曲と、ドラマティックなロマン主義の折り合いは、悪い。それをどう処理するか?考えに考え、21年もの歳月を要して完成されたブラームス(1833-97)の1番(1855-76)の交響曲は、折り合いの悪さを何とかして結び付けた、古典主義とロマン主義のキメラの怪物。これが、交響曲の歴史、最大の頂だったかなと... そして、その頂を越えた先に展開される、捉われない新たな交響曲に注目してみる。
ということで、ブラームスに続いてのマーラー... トーマス・ヘンゲルブロックが率いたNDR交響楽団の演奏で、マーラーの1番の交響曲、「巨人」の、第2稿にあたる、交響曲形式による音詩「巨人」(SONY CLASSICAL/8884305042)を聴く。

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ロシア音楽の豊かさから生み出される『春の祭典』の衝撃。 [2014]

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さて、12月になりました。2016年も、終わりが見えて来ましたよ。
いつもだったら、もう師走!となるところだけれど、今年は、やっと辿り着いた感じ。それだけ、いろいろなことがあり過ぎたということなのでしょう。あり過ぎた分、今年の初めが、どんなだったか、全然、思い出せない... というより、それは3年くらい前に感じてしまうほど... いや、こういうのが、過渡期、時代が動いている証なのかもしれません。20世紀の惰性でここまで何とか転がり続けて来たものの、新たな動力を見出さなくては前へと進まなくなりつつあるのが今の世界か... 推進力を失いつつある中で、錯綜する人々の姿は、世紀末っぽい。いや、21世紀も16年が経とうしているのだけれど... それは、これまで、21世紀独自の動力を模索して来なかったツケでもあるように感じる。一方で、真の21世紀の開始は目前にも思えて来る。
なんてことを考えてしまうのは、バロックから古典主義への過渡期を巡って来たからか。いや、歴史から学ぶことは大きいのです。で、新しい時代へ... 気分を変えて、20世紀へとジャンプ!鬼才、フランソワ・グザヴィエ・ロト率いる、ピリオド・オーケストラ、レ・シエクルの演奏で、ストラヴィンスキーのバレエ『春の祭典』(MUSICALES ACTES SUD/ASM 15)を聴く。

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