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シャロンのばら。 [2011]

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アメリカは、言わずと知れた、音楽大国!なぜそうなったのだろう?ちょっと考えてみる。アメリカ"合衆"国という国名が示すように(って、誤訳なのが痛いところ... )、いろいろな地域から移民がやって来て、形作られた、アメリカ。その移民たちが、それぞれに音楽を持ち込んだことで、それまで遠く離れて存在していたものが、アメリカという場所で接点を持ち... そうして生まれた数々のケミストリー!ジャズなどは、まさにその象徴と言える。イギリスから渡って来た最初の入植者たちの讃美歌、ヨーロッパ由来の軍楽隊の音楽、そして、奴隷として連れて来られた人々のアフリカの音楽が、フランスにルーツを持つクレオール文化に彩られたニューオリンズで結び付き、まったく新しい音楽を生み出す。今、改めて考えてみると、音楽史上、驚くべきことのように思う。そして、こうしたケミストリーは、シャズを皮切りに、より多くの移民を集めた20世紀、ますます盛んとなり、それまで音楽史が経験したことの無かった音楽大国を出現させた。いや、アメリカ"合楽"国、なのかもしれない。のですが、今回は、その対極、まだ移民を広く集めていなかった頃、つまり、音楽が素朴を極めていた頃に注目。
ということで、20世紀のアンタイル、19世紀のゴットシャルクと来て、最後に、アメリカの建国まで遡る!アメリカのバス、ジョエル・フレデリクセンと、彼が創設した古楽アンサンブル、アンサンブル・フェニックス・ミュンヒェンによる、入植から南北戦争までのアメリカの音楽の歩みをつぶさに追う、"Rose of Sharon"(harmonia mundi/HMC 902085)を聴く。

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春の訪れを歌う!バッハ、復活祭オラトリオ。 [2011]

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今から一ヶ月半ほど前、3月6日に始まった四旬節。先週、4月14日に、山場となる聖週間に突入。4月19日には、クライマックス、主の受難、聖金曜日(3/19)を迎え、一昨日、4月20日、46日に及ぶ節制の日々が終わりました。いや、キリスト教徒でもないのに、かつての人々の音楽生活を追体験してみようと、華美な世俗音楽は控え、教会音楽(途中若干休憩しましたが... )を聴いて来た、この四旬節。改めて、教会で歌い奏でられていた音楽の多彩さに驚かされた!って、その一端を浚った程度なのだけれど... で、かつて、教会音楽は、完全に、世俗音楽のパラレルとして存在していたことに気付かされた。オペラがあれば、オラトリオがあり、室内ソナタがあれば、教会ソナタがある。クラシックにおける教会音楽は、すっかり一カテゴリーとなってしまっているけれど、本来は、一カテゴリーなどに収まり切らない規模があった教会音楽。聖歌やミサに留まらないその広がりが視野に入って来ると、音楽史は、より息衝いたものに見えて来る。という、四旬節、節制どころか、新たな視点を持てた、充実の46日でした。そして、その体感とともに、迎えた、復活祭... ハッピー・イースター!
ということで、マシュー・ホールズが率いた、レトロスペクト・アンサンブルの演奏と合唱、キャロリン・サンプソン(ソプラノ)、イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)、ジェイムズ・ギルクリスト(テノール)、ピーター・ハーヴェイ(バス)の歌で、バッハの復活祭オラトリオ(LINN/BKD 373)。四旬節を体感(実にヘタレなものではございますが... )、しての復活祭が、たまらない!

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シューマンの人生の変奏、アベッグから天使へ... [2011]

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一昨日は桃の節句で、明日は啓蟄(暖かくなって、虫たちが土から顔を出す!)... 春は、暦の上にもしっかりと刻まれております。でもって、キリスト教圏では、本日、謝肉祭=カーニヴァルの最終日!さて、カーニヴァルなんて言うと、仮装(ヴェネツィアのやつ...)して、サンバ(リオのやつ... )を踊って、みたいなイメージが、日本人の頭にすっかり刷り込まれているのだけれど、実際には、キリスト教における断食月(厳密な意味での断食はありません... )、四旬節において、肉食を控える前に、肉を食べておこうというのが謝"肉"祭の意味。けして、仮装したり、サンバを踊ったりすることがカーニヴァルではないのです。が、四旬節に入る前に、肉食べといて、できる内にドンチャン騒ぎしておきましょう!に発展したのがカーニヴァル... となると、夏にやる浅草サンバカーニバルも、本当は今頃やっていないと嘘になる?いや、浅草サンバ盆踊りとすれば、これ以上なくしっくり来る気がするのだよね... となると、一昨日、開催された、東京マラソンを、東京カーニヴァル・マラソン(仮装している人いるし... )にすると、世界的には強くアピールできそうな気がする。は、さて置きまして、音楽における謝肉祭!
ということで、シューマンの『謝肉祭』... フランスのベテラン、エリック・ル・サージュのピアノによる、シューマンのピアノ作品全集(ピアノを伴う室内楽作品も含む... )から、『謝肉祭』、『こどもの情景』といった代表作を始めとする、初期から晩年に掛けての多彩な作品を収録した最終巻、Vol.11、2枚組(Alpha/Alpha 169)。クララに続いてシューマンのピアノ作品を聴く。

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没後250年、ネブラ。18世紀のサルスエラを聴く... [2011]

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没後250年ということで、ヨーロッパ中を沸かせたヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、ヴェラチーニ(1690-1768)に、ナポリ楽派のオペラをヨーロッパ中に広めたマエストロ、ポルポラ(1686-1768)と、同時代を生きたイタリアの2人の音楽家を追って来たのだけれど... この2人に共通するのがヨーロッパ中を旅したこと... いや、この2人限らず、バロック期の音楽家たちは、国境も、言葉も、物ともせず、精力的に旅をしていたことに驚かされる。こうした旅の数々が、各地で様々なケミストリーをもたらしたわけだ。一方で、あまり旅をしなかった作曲家も、もちろん多くいる。その代表がバッハ... イタリアへの強い関心を示しながら、終生、中部ドイツの狭い範囲で活動を続け、ローカルな場所に留まりつつも、逆に、このローカル性が、やがて、時代を超越する音楽を形成にするに至ったのだから、おもしろい。さて、もうひとり、没後250年の作曲家を取り上げたいと思う。やはり、旅をしなかったスペインの作曲家、ネブラ... イベリア半島の外に出ることはなかったものの、国境を越えて押し寄せて来る新しい音楽(まさにナポリ楽派!)に器用に乗っかって、バロック期のスペインで大活躍した作曲家...
ということで、エミリオ・モレーノ率いる、スペインのピリオド・オーケストラ、エル・コンチェルト・エスパニョールの演奏、マルタ・アルマハーノ(ソプラノ)のタイトルロールで、ネブラのサルスエラ『トラシアのイフィヘニア』(GLOSSA/GCD 920311)。サルスエラというと、スペイン情緒満載の喜歌劇というイメージだけれど、時代を遡れば、ナポリ楽派風のサルスエラもあった!

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没後250年、フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ。 [2011]

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さて、11月、最後のupとなりました。いやはや、2018年も、残すとこひと月ですよ。こんな年、早く終わっちまえ!なんても思いましたが、やっぱり感慨もあるのかなと... という中で、今年、メモリアルを迎える作曲家たちを、駆け込みで追っております、今月後半... それにしても、追い付かないくらいに多い、メモリアルを迎えた作曲家たち。でもって、興味深い作曲家ばかりで... いや、マニアックな作曲家ほど、おもしろかった!没後400年、カッチーニ(1551-1618)に、没後100年のボーイト(1842-1918)、リリ・ブーランジェ(1893-1918)、没後50年のリャトシンスキー(1895-1968)、生誕100年のツィンマーマン(1918-70)などなど、思いの外、刺激的な2018年だったなと振り返ってみる。のだけれど、まだまだおりまして... ということで、没後200年のコジェルフから、半世紀を遡って、没後250年、フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ!フィレンツェに生まれ、ヴェネツィア、ドレスデン、ロンドンと、18世紀を代表する音楽都市を虜にしたヴァイオリンのヴィルトゥオーゾに注目...
ピリオドの名手たちが集まったアンサンブル、リリアルテの演奏、リュディガー・ロッターのヴァイオリンと、ドロテー・オベリンガーのリコーダーを軸に、フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニと、その師で、叔父、アントニオ・ヴェラチーニのソナタを取り上げるアルバム、"The Enigmatic Art Of Antonio And Francesco Maria Veracini"(OEHMS CLASSICS/OC 720)を聴く。

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第1次世界大戦下の交響曲、アルプス交響曲と「滅ぼし得ざるもの」。 [2011]

今年は、第1次世界大戦終結から100年... とはいえ、日本人にとっての戦争は、やはり第2次大戦(1939-45)であって、第1次大戦は、何となくインパクトに欠ける?しかしながら、最初の近代戦であり、戦車、毒ガス、機関銃、潜水艦が戦場に出現、それまでにはあり得なかった数の犠牲者を生み、戦争の在り方を大きく変えてしまったのが第1次大戦... 人類の歴史において、欠くことのできないターニング・ポイントと言える。一方で、前線こそ凄惨な状況が続くも、前線から離れれば、思いの外、平和な光景も広がっており、ドイツなどでは、戦争景気に後押され、音楽シーンが活況を呈していたこともあったのだとか... こうしたあたりは、第2次大戦に比べれば、随分と牧歌的だったなと、何だか隔世の観がある。とはいえ、戦時の緊張感は世界を覆い、様々な場面で影を落とす。当然ながら音楽も様々に影響を受ける。興味深いのは、前回、聴いた、『惑星』をはじめ、魅力的な作品が多く生み出されていること... 戦争という死と直結した状況が、作曲家の感性を鋭くさせるのか?
ということで、第1次大戦中に作曲された音楽に注目してみる。アンドリス・ネルソンスが率いた、バーミンガム市交響楽団の演奏で、リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲(ORFEO/C 833 111 A)と、ミケル・シェーンヴァントの指揮、デンマーク国立交響楽団の演奏で、ニールセンの4番の交響曲、「滅ぼし得ざるもの」(DACAPO/8.224156)の2タイトルを聴く。

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ボーイト、メフィストフェレ。 [2011]

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メフィストは悪魔で、ファウストはその悪魔に魂を売ったヘタレ... このコンビが繰り広げる物語は、とても褒められたようなものではないけれど、多くの人が魅了されてしまうのは、悪さをすることの潜在的な欲求を擽るからだろうか?破滅が待っているから、誰もしないけれど、舞台上で繰り広げられる悪徳を、プロセニアム越しに覗き込むことは、とても刺激的なことと言えるのかもしれない。そして、その悪徳を息衝かせる音楽は、往々にして魅惑的だったりする。グノーの『ファウスト』、ベルリオーズの『ファウストの劫罰』と聴いて来て、改めてそんな風に思った。ので、勢い、もうひとつファウストを!ボーイトの『メフィストフェレ』... でもって、今年は、ボーイト(1842-1918)の没後100年のメモリアル。さらに、その代表作、というか、完成された唯一のオペラ、『メフィストフェレ』の初演から150年という記念の年。ということで、ボーイトとメフィストフェレを祝って、
ステファノ・ランザーニの指揮、パレルモのテアトロ・マッシモでの白熱のライヴ盤!タイトルロールにフェルッチョ・フルラネット(バス)、ファウストにジュゼッペ・フィリアノーティ(テノール)、マルガリータにディミトラ・テオドッシュウ(ソプラノ)という強力なキャストで、ボーイトのオペラ『メフィストフェレ』(NAXOS/8.660248)。いやー、フルラネットの悪魔的ド迫力にヤられます。

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カタルーニャからオクシタニアへ、古代を歌い継ぐ、シビラの歌。 [2011]

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中世ヨーロッパを文化から見つめると、巡礼路に沿って興味深い横の動きが浮かび上がる。一方で、政治から見つめれば、北の王権が南へと拡大されて行く縦の動きが目に付く。異なる文明を結ぶ豊かな横の動きと、権力が支配領域を刈り取って行く縦の動き。対極的な2つの動きは、当然、ぶつかるわけで、やがて、縦の力が横のつながりを断ち切って、現在のヨーロッパの形が作られて行く。つまり、国境で区切られたヨーロッパ... 国家と民族と文化がイコールで結ばれる解り易い形... のはずが、生まれる齟齬。そして、強調される違い。異質さの排除。しなやかさを失ったヨーロッパから発せられる軋みは、やがて戦争となり、20世紀の破滅的な2つの大戦へと至る。その反省から生まれたEU。それは、先進的な状況のように見えて、実は、中世へと還ることなのかもしれない。国境に区切られた民族性ではない、より多様な個性から織り成される、広がりのあるヨーロッパへの回帰。そういう、より大きな流れからヨーロッパを捉えれば、スペインとカタルーニャの先鋭化する対立に虚しさを覚えてしまう。なんて思ってしまったのは、アンサンブル・ユニコーンの"THE BLACK MADONNA"の躍動する音楽を聴いて... イスラムから最先端を吸収し、古代、地中海文明の英知が滲むカタルーニャ、南ヨーロッパの懐の深さ、大地に根差したパワフルさたるや!中世の音楽は、ただならぬスケールを持って、現代に迫って来る!
ということで、西からのスパイシーな巡礼の歌に続き、ミステリアスな東の古代を伝えるシビラの歌... ジョルディ・サヴァール率いるラ・カペッラ・レイアル・デ・カタルーニャの演奏、今は亡きモンセラート・フィゲーラス(ソプラノ)の歌で、最後の審判を予言したシビラの歌を取り上げる名盤、"EL CANT DE LA SIBIL・LA Catalunya"(Alia Vox/AVSA 9879)を聴く。

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チャイコフスキー、幻想序曲に浮かぶ、激しい心象... [2011]

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シェイクスピア、没後400年のメモリアルということで、シェイクスピアにまつわる音楽を聴いている今月... 改めてクラシックを見渡し、シェイクスピアにまつわる作品を探ってみると、その多さに驚かされる。いやはや、クラシックのシェイクスピア贔屓って凄いなと... 裏を返せば、それだけの魅力を放つシェイクスピア作品の数々であって、希代のストーリー・メーカーの、ジャンルを越えた存在感に思い知らされる。そうした中で、"シェイクスピア作曲家"と呼びたくなるような、より強くシェイクスピアにインスパイアされた作曲家たちがいる。シェイクスピアの戯曲に基づく3つのオペラ、『マクベス』、『オテロ』『ファルスタッフ』を作曲したヴェルディ。交響曲、オペラ、合唱曲など、多岐に渡ってシェイクスピアを音楽化したベルリオーズ。そして、『ロメオとジュリエット』、『テンペスト』、『ハムレット』を題材に、幻想序曲を書いたチャイコフスキー。それぞれのテイストで、切り口で、ヴァラエティに富むシェイクスピアが響き出すわけだけれど、最も熱っぽいサウンドを聴かせるのは、チャイコフスキー!
ということで、熱いチャイコフスキーによるシェイクスピアを、若さ溢れる面々の熱い演奏で聴く... グスターボ・ドゥダメル率いる、シモン・ボリバル交響楽団による幻想序曲集、"Tchaikovsky & Shakespeare"(Deutsche Grammophon/477 9355)を聴く。

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マンハイムからウィーンへ... [2011]

間もなく年度が切り替わる。何となく切ない頃でもある。
この間は、『N響アワー』が終わった... 見ていたかどうかはさて置き、物心付いた頃にはあった番組が終わってしまうことに、何だか心許無い思いがする。新たな年度を迎えれば、新しい番組が始まるのだろうけど。ま、テレビ番組が終わるなんてことは、大したことではないけれど、年度が切り替わることで生まれる大なり小なりの様々なインパクトというのは、人生にピリっとした刺激を残して、何とも言えないものがあるのか。で、当blogなのだが... ここで、ひとつ、2011年に区切りを付ける。ま、年も、年度も、無いような、多少、グダグダ気味に、あっちこっち引っ張り出して聴いてもいるのだけれど、最後に取り上げる2011年リリースのアルバム...
ヴェルナー・エールハルト率いるピリオド・オーケストラ、ラルテ・デル・モンドをフィーチャー。何気に、2011年、大活躍?もちろん、その活躍が派手にコマーシャルされることはないので、相変わらずの密やかさなのだけれど。そんな、エールハルト+ラルテ・デル・モンドによる2タイトル、マンハイム楽派の最盛期を彩った作曲家、カール・シュターミッツの交響曲集(cpo/777 526-2)に、イスラエル出身のソプラノ、チェン・レイスが歌う18世紀後半のウィーンのオペラ・アリア集"Liaisons"(onyx/ONYX 4068)を聴く。

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