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苦悩するナショナリスト、サン・サーンス、アルス・ガリカの行方... [2012]

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さて、アルス・ノヴァのマショーに始まり、時代を遡ってゴシック期のノートルダム楽派、そして、トルバドゥール/トルヴェールの音楽を聴いて来た7月下旬、いやー、フランスの中世は、おもしろい!シンプルな中世の音楽だけれど、その背景を見つめると、一筋縄には行かなくて... で、その一筋縄には行かない複雑さが、豊かな文化を生み出し、フランスは中世文化のリーダーとなった。もちろん、音楽においても... しかし、中世末、百年戦争(1337-1453)が、全てを変えてしまう。音楽家たちは、戦火を逃れ、各地に散って行き、以後、フランス音楽は、ローカルな立場に甘んじることに... そうして、4世紀を経た頃、フランス音楽はローカルな位置から脱しようと動き出す。その切っ掛けとなったのが、普仏戦争(1870-71)での敗戦。敗戦が、フランス音楽の覚醒を促す。
ということで、中世から一気に時代を下り、19世紀へ!グザヴィエ・ロト率いる、ピリオド・オーケストラ、レ・シエクルの演奏で、フランス音楽の覚醒を象徴する、サン・サーンスの3番の交響曲、「オルガン付き」(MUSICALES ACTES SUD/ASM 04)を聴く。

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23番から25番へ... モーツァルト、19世紀の扉を開けるコンチェルト... [2012]

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アマデウス、神に愛されし者... なればこその天才性を、遺憾なく発揮し、誰もが知る名曲を次々に生み出した、わずか35年という短い人生は、もはや伝説である。というのが、モーツァルトの一般的なイメージかなと... が、丁寧に見つめるモーツァルト像は、そうカッコいいばかりではない。父の英才教育によって築かれる音楽的素地。やがてヨーロッパ中を旅し、最新の音楽を貪欲に吸収して形成される音楽性。もちろん、抜き出た才能があったことは間違いないのだけれど、モーツァルトの音楽は、モーツァルト自身の努力の賜物だと感じる。そして、今でこそ無敵なモーツァルトも、その当時は様々な外的要因に翻弄され、そういうままならなさから紡ぎ出された音楽というのは、思いの外、人間味に溢れるものなのかなと... それはまた、古典美が尊ばれる古典主義の時代に在って、一味違うものなのかなと... で、そこが、この作曲家の魅力であり、次なる時代の予兆?
ということで、3月はモーツァルト!ルドルフ・ブッフビンダーのフォルテピアノ、ニコラウス・アーノンクールが率いたウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏で、モーツァルトの23番と25番のピアノ協奏曲(SONY CLASSICAL/88765409042)を聴く。

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ロマン主義の結実、交響詩。ヴァイマル、リストの試み... [2012]

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クラシックの顔とも言える、多くの交響曲の名作を生み出した19世紀は、「交響曲」の世紀に思えて来る。が、19世紀、ロマン主義の時代の性格を考えると、絶対音楽を追求した「交響曲」とは相容れないところもあり、もどかしい。そのもどかしさを呑み込んで、大胆に、ロマン主義と「交響曲」を結んだのが、ベルリオーズの幻想交響曲。物語を孕み、表題を持つ交響曲は、絶対音楽の概念を突破した交響曲として、もはや存在そのものがロマンティックなのかもしれない。そして、標題交響曲から、さらに踏み込んだのが、「交響詩」... シンフォニックでありながら、交響曲のような形に囚われることなく、自由に音楽を展開する。まさにロマン主義に合致した交響楽の在り方... というより、19世紀、ロマン主義の時代を象徴する形と言えるのではないだろうか?
ということで、「交響詩」を生み出したリストに注目!マルティン・ハーゼルベック率いる、ピリオド・オーケストラ、ウィーン・アカデミー管弦楽団による、初めて「交響詩」という言葉が用いられた作品、リストの交響詩「タッソ、悲哀と勝利」(NCA/NCA 60260)を聴く。

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おお、フォルトゥナ!区切りの時... [2012]

桜が咲いております。何だか、そういう季節です。
ということは、区切りの季節... 卒業に、入学に、って、そういうセレブレイションは、随分と遠い昔になってしまったものの、年度が改まり、終わりにして始まりの、何か、こう、落ち着かない心地は、未だに苦手だったり... 区切りを付けるというのは、結構、パワーがいるように感じる。でもって、当blogも一区切り。メルクルが率いたリヨン国立管による、ドビュッシーのシリーズ、vol.7(NAXOS/8.572675)に始まって、古楽から現代まで、ピリオドもモダンも、まるでごった煮のように節操無く聴いて来たわけだが、今回を以って「2012」を閉じる。
で、その最後は、エサ・ペッカ・サロネンの指揮、ロサンジェルス・フィルハーモニックの演奏による、ショスタコーヴィチの幻のオペラ、『オランゴ』と、4番の交響曲(Deutsche Grammophon/479 0249)。クリスティアン・ヤルヴィ率いる、MDR交響楽団と、MDR放送合唱団らによる、オルフの『カルミナ・ブラーナ』(SONY CLASSICAL/88725446212)の、2タイトルを聴く。

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古典派からロマン主義へ、華麗に踏み出される一歩、フンメル! [2012]

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激動の時代というのは、音楽もテンションが高かったりする?
アントニーニのベートーヴェンの交響曲を聴いて、ふとそんなことを考える(もちろん、アントニーニ自身のテンションも考慮しなくてはならないのだけれど... )。ちょうどベートーヴェンが活躍した頃、フランス革命がカオスに陥り、輝かしき共和制の果てに、ベートーヴェンを幻滅させた帝政が出現。その皇帝によって、ヨーロッパ中が戦争に引き摺り込まれ... そんな、古典派からロマン主義へとうつろう頃、激動の時代の空気感の中、生まれた音楽は、何か、テンションが高いように感じる。音楽もまた、時代の壁を乗り越えるには、テンションが必要だったか... 「過渡期」という言葉には、それが不安定な状態であるがゆえに、弱さのようなものをイメージさせるのだけれど、改めて見つめてみると、新たな時代を手繰り寄せようという力強さに溢れているのかもしれない。
ということで、古典派からロマン主義へとギアを入れた作曲家、ピアニストとしてベートーヴェンと人気を二分したフンメル!アレッサンドロ・コンメラートの弾くピリオドのピアノで、BRILLIANT CLASSICSのフンメル担当、ディディエ・タルパンの指揮、スロヴァキアのピリオド・オーケストラ、ソラメンテ・ナトゥラーリの演奏による、フンメルのピアノ協奏曲集(BRILLIANT CLASSICS/BRL 94338)を聴く。

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呼び覚ます、グレゴリオ聖歌以前... モサラベ聖歌... [2012]

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始まりを辿れば、際限は無いのかもしれない...
ビッグバンは宇宙の始まりだけれど、何がビッグバンを引き起こしたのか?これほどの「始まり」は他に無いものの、その始まりすら、まだ遡れる余地がある。となれば、クラシックの始まり、西洋音楽の"源"としてのグレゴリオ聖歌などは、通過点に過ぎないのかもしれない。かつて、グレゴリオ・パニアグアは、大胆に遡って、古代ギリシアの音楽を再現し、古楽の世界に伝説を残したけれど、西洋文明の揺籃の地、古代ギリシアの音楽とグレゴリオ聖歌も、どこかでつながるのか?古ローマ聖歌の、あのオーガニックな感覚は、間違いなく地中海文化圏に育まれたものであろうから、古代ギリシアも、その要素のひとつとなっているかもしれない。が、グレゴリオ聖歌の直前すら未だはっきりとはわからない。記譜が確立される以前の音楽の難しさ。解決できるのは、タイム・マシーンの開発を待たなくてはいけないのだろう... しかし、どんなだったろう?イマジネーションを掻き立てられる!
そして、古楽界切ってのイマジネーションを持つ?パニアグア家から、弟、エドゥアルド率いる、スペインの古楽アンサンブル、ムジカ・アンティグアによる"CANTO VISIGÓTICO-MOZÁRABE"(PNEUMA/PN-1270)。中世前半のイベリア半島において、グレゴリオ聖歌よりも古い歴史を誇り、またイスラム支配下でも歌い継がれた、モサラベ聖歌にスポットを当てるアルバムを聴く。

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オーガニック・ルネサンス・ポリフォニーな癒しの奇跡! [2012]

何となく、気になって読み始めた本、『叱り叱られ』...
えーっと、クラシックからは離れるのだけれど。サンボマスターのヴォーカル、山口隆氏と、日本の"ロックンロール"を切り拓いて来たマエストロたちの対談集。けして詳しいわけでも、よく聴いているジャンルでもない。それでも気になって読み始めたのは何でだろう?そうして惹き込まれてしまったのは何だろう?クラシック、ロック、ジャズ、ポップス、そういう枠組みは関係なく、音楽そのものにストイックに向き合って、いや格闘してと言うべきか、音楽の魔法を探りつつ、音楽の時代や社会とのつながりを考える、山口君の真摯な姿勢(同世代として、同じ空気感の中、呼吸して来た者として、ただならずシンパシーを感じてしまうのだよね... )。何より、音楽への愛に充ち満ちていて。あー、クラシックは、これができるだろうか?と、考えさせられてしまう。考えさせられつつ、やっぱ音楽は凄いし、凄いということを再確認できたことがすばらしい!そんな、音楽賛歌な一冊に、元気をもらう。というのも、音楽に対して、元気に向き合えていない自分がいるからか。こんな時こそ、音楽と格闘すべきなのかも。
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さて、クラシックに話しを戻しまして、ルネサンス期の音楽を聴くのだけれど、ここでは、ただならず癒された。とはいえ、美しくアンビエントなルネサンス・ポリフォニーに癒されたのではなく、生命感に充ち溢れ、不器用にも力強くルネサンス・ポリフォニーを織り上げてゆく、人間臭いアンサンブルに癒された... そんな力強い一枚、古楽界切っての鬼才、マルセル・ペレス率いる、アンサンブル・オルガヌムによる、ディヴィティスとフェヴァンによるレクイエム(æon/AECD 1216)を聴く。

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これこそが本物の印象主義なのかもしれない... ケクラン... [2012]

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フォーレ、ロパルツと聴いての、ケクラン...
フランス、19世紀末から20世紀初頭に掛けての頃、ロマンティックなあたりから、モダンへと踏み込んでみるのだけれど。ロマン主義のサウンドをしっかりと味わってから聴くケクランは、そのあまりの瑞々しさにびっくりしてしまう。フォーレ、ロパルツが描き出す世界が、豪勢な額縁に収まったアカデミックな油彩ならば、ケクランの描き出す世界は、たっぷりと水を含んで、さらりと描き上げられた水彩だろうな... 絵画の世界も、印象派が契機となって、大きく飛躍した時代、音楽もまた、多様な表現を生み、『春の祭典』の初演を迎えることになるわけだけれど。改めて見つめると、この時代のフランスの芸術の、ビッグ・バンのような進化と拡大は、何だったのだろう?そのパワーがどこから来たのか、とても気になる。のは、今の芸術にパワー不足を感じるからか?
という現代の悩みはさて置き... フランスの金管アンサンブル、アンサンブル・イニシウムと、ちょっと個性的な編成で、個性的なレパートリーを持つ、フランスの個性派アンサンブル、アンサンブル・コントラストによる、ケクランのアンサンブル作品集(timpani/1C1193)を聴く。

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20世紀、際立つフォーレ、2つのピアノ五重奏曲... [2012]

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ル・サージュのフォーレのシリーズに、エベーヌ!
と、ちょっとテンション上がってしまったアルバム。今、何気に、最も関心のある弦楽四重奏団かもしれない、エベーヌ四重奏団... その若さで、フレッシュなサウンドを響かせつつ、クラシカルな気分というのも、見事に漂わせる。で、漂わせ過ぎず... の、絶妙なるバランス感覚!彼らの確かな技術はもちろんのこと、豊かな音楽性にただならず魅了されるばかり。で、驚くべきは、歌まで歌うこと!映画音楽に挑んだ"FICTION"(Virgin CLASSICS/6286680)でのパフォーマンスには、びっくり!!!特に、ヴィオラのエルツォグが歌った、スプリングスティーンの"Streets of Philadelphia"(トム・ハンクス主演の『フィラデルフィア』からの... そして、アカデミー主題歌賞受賞楽曲... )は、もう... 本業は何?!ってくらいなもので... しかし、今、改めて振り返ってみると、彼らの、歌える... というあたりが、その音楽性をより高い次元へと持って行っているように感じる。あるいは、「歌う」、ということの重要さを、改めて考えさせられたりもする。のだけれど、そのあたりはともかく...
Virgin CLASSICS、注目のクァルテット、エベーヌ四重奏団が、レーベルの枠を越えて、今やAlphaで大活躍のピアニスト、エリック・ル・サージュと共演した、フォーレの2つのピアノ五重奏曲(Alpha/Alpha 602)を聴く。しかし、ル・サージュのフォーレのシリーズ、豪華!

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それで、序曲の後はどうなる?売られた花嫁。 [2012]

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『メドンテ』『棄てられたアルミーダ』『パリーデとエレナ』
ひどくマニアックなオペラが続いております。が、ダメ押し的に、もうひとつマニアックなオペラを聴いてしまう!序曲は有名、舞曲も序曲とセットで取り上げられること、多々あり... けれど、本編を聴くことはほとんどない、スメタナのオペラ『売られた花嫁』。で、どんなオペラ?と、ずっと気になっていたのだけれど、とうとう聴いた!何でも、30年ぶりの新録音だとか... えっ?!そんなにも?と、なるのだけれど、チェコ語のオペラのマニアックさ... その壁は、思いの外、厚かったか... しかし、とうとう乗り越えられたその壁。新録音への期待は高まる!
ということで、チェコを代表するマエストロのひとり、イエジ・ビエロフラーヴェクと、彼が率いるBBC交響楽団の演奏で、生粋のチェコの歌手たちが歌い上げる、チェコ・オペラの名作、スメタナのオペラ『売られた花嫁』(harmonia mundi/HMC 902119)を聴く。

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