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"Solo cello and... "、+αが拓く、20世紀、チェロの新たな地平... [2007]

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えーっ、先日のことでありますが、ちょいとテレビをつけたところ、『超入門!落語THE MOVIE』なんていう番組(前から気になっていた!)をやっておりまして、ついつい見入ってしまう。というのも、アテレコならぬアテ芝居(噺家さんの話しっぷりに、ぴたりと役者さんが芝居を付けちまうってんだから驚いた!)でもって、噺を鮮やかにヴィジュアル化。いやー、古典落語の、取っ付き難そうに感じていたあたりが、まっつぐに視覚で捉える事ができて、便利なものでして... いやいや、普段、落語なんて聴かないものだから、もの凄く新鮮で、何より、そのフンワリとした世界観に癒される。世知辛い現代を生きていると、どんな落ちが付くのかと、ちょっとヒヤヒヤしながら見守る、それぞれの噺なのだけれど、ささやかながら、どれも拍子抜けしてしまうほどに、最高のハッピー・エンドを迎えるから、驚かされる。でもって、そうか、昔の人は、こうもまっつぐな物語を是としていたのかと、深く深く感慨を覚えてしまう。古典落語に教えられる、ハッピー・エンドは正義!裏を返せば、今、我々が生きている現代が、如何に不正義であるかを思い知らされる。人々は、いつからまっつぐに生きられなくなってしまったのだろうか?
さて、この秋、まっつぐにチェロを聴いております。そして、前回に続き、再びのマリオ・ブルネロのチェロの演奏で、現代音楽の多彩な作曲家たち、ソッリマ、スカルソープ、シェルシの、独奏チェロともうひとつの存在(ライヴ・エレクトロニクス/コーラス/パーカッション)による作品を集めた興味深い1枚、"Solo cello and... "(Victor/VICC-60556)を聴く。

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20世紀、哀歌、マーラーの厭世から、ショスタコーヴィチの寂寥へ... [2007]

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何かこう、気詰まりなことばかりで、ぐったりさせられる日本であり、世界であり... 一体、どうなってしまったんだろう?なんて、ここ最近、ニュースを見ながら、つくづく思う。いや、こんな状態が、もうずっと続いているのだよね... それはまるで先が見えないトンネルを歩かされているような状況で... 先へと進めばきっと出口があるだろうと思って、薄暗い中を進むのだけれど、穴はどんどん狭まり、気が付けばぎゅうぎゅうになっていて、そのストレスのせいか、あちこちで癇癪が引き起こされる。その癇癪が、また新たな癇癪の引き金になって、その騒々しさに、みんな窒息しそうになっている。今、最も必要とされているのは冷静さ、捉われないこと、多角的に物事を見つめる力、何より度量なのだと思うのだけれど、それらが、何とも贅沢に感じられるほど、我々の世の中は汲々としている。で、いつからこんな風になってしまったのだろうと考えるのだけれど、歴史を振り返ると、いつもそんな感じだったと言えるのかもしれない。マーラーの厭世的なあたり、ショスタコーヴィチのアイロニーは、汲々とした中を生きてこそ響いた音楽。だからこそ、時を経て、共感できるのだろうなと... ふと、そんなことを考える。
ということで、ギドン・クレーメル率いるクレメラータ・バルティカの演奏で、弦楽オーケストラ用にアレンジされた、マーラーの交響曲、10番のアダージョと、そのマーラーの影響も指摘される、ショスタコーヴィチの14番の交響曲(ECM NEW SERIES/4766177)を聴く。

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古楽、伝統、近代、いともニュートラルなマリピエロ。 [2007]

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そう言えば、今年、2016年は、日伊修好150年なんだそうです。
1866年、イタリアは統一目前で、日本は幕末という、互いになかなか興味深い状況下で結ばれた日伊修好通商条約。おもしろいのは、その後の150年の歩みが、日本もイタリアも似ているところ。第1次大戦への微妙な参戦、それによる一応の戦勝。やがてナショナリズムが台頭し、軍部の専断、日独伊三国同盟で戦った第2次大戦、そして、敗戦。戦後は、アメリカの影響下、西側、自由主義陣営の一員として歩み... あれれ、何この不思議なパラレル感!あの歴史ある華麗な"イタリア"というイメージから離れ、"国"として見つめると、おもしろいくらいに近しく感じられてしまう?ということで、近代イタリアの音楽を聴いております、今月... なんて、実は後付けなのだけれど、この際、近代イタリアの音楽をしっかり聴こうではないかと...
レスピーギの擬古典主義、マルトゥッチに始まる近代イタリアにおける音楽の諸相、そして、戦後「前衛」の時代、我が道を行ったベリオと来て、近代イタリア、最も重要な作曲家と目されるマリピエロを取り上げる。オルフェウス弦楽四重奏団のASVからリリースされていた名盤の復刻、マリピエロの弦楽四重奏曲全集(BRILLIANT CLASSICS/BRL 8550)を聴く。

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シューマンからバッハへ... [2007]

寒さが厳しくなってまいりました。そして、今年も残すところ...
やっぱり、あっという間で、訳がわからないまま、今日に至ってしまった。で、大丈夫なのだろうか?これで納まるのだろうか?いや、そう言いながら、はっと気が付けば、紅白を見終わっている。そんな感じで正月を迎えているはず。大丈夫も何も、強引に正月はやって来て... まったく、年末なんて、もう!である。
さて、当blogの空白期を埋める試みとして、春から2007年を聴き直してきたのだけれど、それも今回が最後。ということで、2007年にリリースされた3タイトル... フィリップ・ヘレヴェッヘ率いる、シャンゼリゼ管弦楽団による、シューマンの1番と3番の交響曲(harmonia mundi FRANCE/HMC 901972)。ヘルマン・マックス率いる、ライニッシェ・カントライ、ダス・クライネ・コンツェルトらによる、シューマン版、バッハのヨハネ受難曲(cpo/777 091-2)。ハンスイェルク・アルブレヒトのアレンジ、演奏による、オルガン版、ゴルトベルク変奏曲(OHEMS/OC 625)。シューマンからバッハへ... と、聴き直す。

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オーストリア。 [2007]

さて、12月も、もう半分。となれば、焦ります。
いや、焦っているようで、どこかでぼぉーっともしているような。こう、何か、気が入らないような。そうして、怒涛の後半を迎えるわけですが、大丈夫なのでしょうか?と、他人事のように自身を見つめつつ。その妙なままならなさに、やっぱり焦る。まったく、何をやっているんだか。という状況を打破するために、ここでひとつ、大きく片づけてしまおう!2007年を聴き直す... そろそろ終わりが見えつつありまして、年内には始末付けようと...
まずは、マーティン・パールマン率いる、ボストン・バロックによる、モーツァルトも楽曲を提供したジングシュピール『慈悲深い托鉢僧』(TELARC/CD-80573)。ロナルド・ブラウティハムと、アレクセイ・リュビモフによる豪華共演、モーツァルトの2台、3台のピアノのための協奏曲集(BIS/BIS SACD 1618)。プソフォス四重奏団による、新ウィーン楽派の弦楽四重奏作品集(Zig-Zag Territoires/ZZT 070502)。デイヴィッド・ジンマン率いる、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団のマーラー・ツィクルスから、「復活」(RCA RED SEAL/82876871572)と、3番(RCA RED SEAL/88697129182)。という、5タイトルを一気に聴き直す。
何気に、オーストリアばかり。だったり。

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受難から、創造へ... [2007]

橋下市長が動き出して、橋下知事が就任した時みたいなニュースが、いろいろ出て参りました。例えば、大フィルの予算をカットするとか、大阪市立近代美術館の建設を白紙にするとか... で、大フィルへの市の予算が1億1000万円... って、そんだけかよ?!というのが正直なリアクション。カットするには拍子抜けしてしまう額。ヨーロッパのオーケストラに比べたら... はぁ?となる。で、市立近代美術館に関してちょっと調べたら、153億円分の所蔵作品?!ひぇーっ!それだけのコレクションを抱えながら、これまで展示する箱が無かった?それならば、国立国際あたりに、丸々、寄託しちゃえば?てか、大阪市美、あるやん...
何と言いますか、本当にクウォリティのあるものを、きちっとお金を掛けて、提供する。そういう一本筋の通った文化行政を切るとなったら、大騒ぎすべきだけれど、「芸術」という看板を掲げて、大したクウォリティを維持できていないものに、指針なく、パラパラ、パラパラ、予算を振り撒くようなことは、終わりにしないと。橋下さんの芸術への姿勢は、残念ながらこどもじみて、的外れだけれど、橋下さんが招く厳しい状況に、芸術界も、目を覚まさなくては。バブルが弾けて、受難の時代をサバイヴしてきたことはよくわかるけれど、いい加減、守勢から切り返さな... いや真の意味での創造を始めないと、芸術は消失してしまうように感じる。あいつは芸術をわかっていない... と、文句を言うのは簡単だけれど。その前に、まず、芸術界自身が変わらなくては... 現状維持ではなくて、本当に意義のある、どんな人にも説得力を持った姿に生まれ変わる。芸術とは、本来、そういうものだし。
なんて、書いたところで、どーかなるわけでもなく、どっちもどっちな状態を見せられていると、もどかしいばかりなので、ここは、18世紀、古典派の時代のフレッシュなサウンドを聴いて、リフレッシュ!2007年にリリースされた、ヴェルナー・エールハルト率いる、ラルテ・デル・モンドによる、パイジェッロのヨハネ受難曲(CAPRICCIO/60133)と、ウィリアム・クリスティ率いる、レザール・フロリサンによる、ハイドンのオラトリオ『天地創造』(Virgin CLASSICS/3 95235 2)を聴き直す。

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スメタナを聴く。 [2007]

ここのところ、すっかり中東欧づいてしまって...
お馴染みの国民楽派など、人懐っこいメロディに、活きのいいリズム、そのダイレクトな魅力は、堅苦しいクラシックにありながら一味違った温度感を感じてきたわけだが。その温度感を醸し出すものは何なのか?単なる民謡調というではなく、ワールド・ミュージック的な視点に立って中東欧の作品を掘り下げたならば、そこにはどんな地層が見えてくるだろう?ヨーロッパという括りでは納まり切らない、様々な民族が通過し、また留まり、多様な文化が蓄積して形作られた中東欧... ヨーロッパにして、より味わい深いヨーロッパを見出す不思議なエリアが、どうも気になって... チェコの国民楽派の代表、スメタナを改めて聴いてみる。
2007年にリリースされたスメタナのアルバム、ジャナンドレア・ノセダが率いたBBCフィルハーモニックによる管弦楽作品集第1集(CHANDOS/CHAN 10413)と、キャサリン・ストットが弾くピアノ作品集(CHANDOS/CHAN 10430)を聴き直す。

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ポーランドへ、チェコへ、ヴァイオリンに導かれて... [2007]

電車の窓から... その辺を少し歩いていて... 何気なく目に入ってくる色付く木々...
紅葉の名所まで行かなくとも、すぐそこに、深まりゆく秋がすでにある。そして、そんな風景の中にあると、妙に落ち着いた気分になって、しみじみしてきて。澄み切った空に冬を見つけ、夕方の空のやたら綺麗なグラデーションを目にしてしまうと、変に感傷におそわれたり。というのは、ちょっとオーバーか?けど、冬を前にする哀愁みたいなものは、間違いなく濃くなってきている晩秋の頃、なのである。今年も終わりが見えつつある。そんな秋の深まりに、中東欧の音楽、ヴァイオリンの音色... センチメンタルを加速させるようなアルバムを聴いてみようかなと。
2007年にリリースされた2つのアルバム、ベンジャミン・シュミット(ヴァイオリン)が弾く、ポーランドのヴァイオリン協奏曲集(OEHMS CLASSICS/OC 597)と、ボフスラフ・マトウシェク(ヴァイオリン)と、クリストファー・ホクヴッドの指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団という贅沢な組合せで繰り広げられたマルティヌーのヴァイオリンとオーケストラのための作品全集から、第1弾(hyperion/CDA 67671)を聴き直す。

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交響曲と古典派。 [2007]

交響曲はどこからやって来たのか?
って、唐突なのだけれど、結構、気になるテーマ。「交響曲の父」は、ハイドン... ということになっているけれど、18世紀を丁寧に紐解けば、ハイドンは交響曲の育ての親であって、生みの親とはちょっと違う。となれば、交響曲の本当の両親はどこに?そうしたあたりに迫ることができそうなアルバムを、いつも気にしながら追っている。が、少ない。しかし、少ないながらも、常に追っていると、蓄積されてくるものもあって... 改めて振り返れば、興味深いアルバムがいくつか... そうした中から、2007年にリリースされた3つのアルバム...
交響曲の誕生にかなり迫りつつその後も追う、ファビオ・ビオンディ率いる、エウローパ・ガランテの"IMPROVISATA"(Virgin CLASSICS/3 63430 2)。古典派の黎明の時代、交響曲の成長期を窺う、アアポ・ハッキネン率いる、ヘルシンキ・バロック・オーケストラの、リヒターの6つの交響曲(NAXOS/8.557818)。そして、古典派の盛期を迎えて... フライブルク・バロック管弦楽団による「バッハの息子たち」シリーズ、第4弾、ヨハン・クリスティアン・バッハ、"Concerti"(Carus/83.307)。バロックから古典派へ、そのうつろいの中、確立されてゆく「交響曲」を活写した3タイトルを聴き直す。

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知られざるスペイン... [2007]

フランスが続いたので、少し気分を変えて、スペインへ...
とはいえ、スペイン情緒で酔わせてくれる、定番のサラサーテや、アルベニス、ファリャ、ロドリーゴではなくて。18世紀、マドリッドの宮廷に仕える一方で、スペイン、伝統の歌芝居、サルスエラでも活躍したホセ・デ・ネブラ(1702-68)。19世紀初頭、彗星の如く出現した、スペインのモーツァルトとも呼ばれるホアン・クリソストモ・アリアーガ(1806-26)を聴く。のだけれど、ふと、思う。モラーレス、ビクトリアといった見事なポリフォニーを編んだスペイン出身のルネサンスの大家たちから、エキゾティックなサウンドで魅了する定番、スペインにおける国民楽派の面々の活躍まで、スペインの音楽はどうなっていたのだろうか?改めて音楽史を振り返ると、「スペイン」はやっぱり盲点なのかも。メイン・ストリームから外れるとはいえ、あまりに知らないことが多いなと、今さらながらに気付き。そんな盲点を、少しばかり意識的に聴き直してみる、ネブラにして、アリアーガ。
ということで、2007年にリリースされた、エドゥアルド・ロペス・バンソ率いる、スペインのピリオド・アンサンブル、アル・アイレ・エスパニョールの演奏で、マリア・バーヨ(ソプラノ)が歌う、ネブラのサルスエラ・アリア集(harmonia mundi FRANCE/HMI 987069)。パウル・ドンブレヒト率いる、ベルギーのピリオド・オーケストラ、イル・フォンダメントによる、アリアーガの管弦楽曲集(FUGA LIBERA/FUG 522)の、2タイトルを聴き直す。もちろん、これだけで、盲点が埋まるわけではないのだけれど。

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