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ハイドン、ラメンタティオーネ、ラ・パッシオーネ。 [2018]

四旬節、教会ソナタ教会コンチェルトと聴いて来たので、次は教会交響曲!
なのですが、ソナタやコンチェルトに比べると、ちょっと影の薄い教会交響曲(という概念自体が、実は心許無いところもあったり... )。というのも、ソナタやコンチェルトから遅れて確立された交響曲でして、確立される18世紀には、ソナタやコンチェルトにあった"教会"と"室内"の線引きは薄れつつあって... となると、交響曲もまたしかり... もはや、"教会"をことさら強調することはまでもなく、教会に相応しい作品は教会で演奏されていた。例えば、モーツァルトの「ジュピター」なども、教会で演奏されたとのこと... いや、絶対音楽=交響曲の神々しさは、教会こそ相応しい気もして来る。一方で、教会っぽさにつながる対位法、フーガを際立たせたり、グレゴリオ聖歌をモチーフにしたり、緩急緩急の4楽章構成による教会ソナタの作法に倣ったりと、単に交響曲であるだけでない、教会交響曲としての性格付けが為された作品が、わざわざ教会交響曲として銘打たれずとも、いろいろ作曲されていた。例えば、交響曲の父、ハイドン!キリストの受難を記念する日、聖金曜日に演奏されたと考えられる49番、「受難」... その後の聖週間に演奏されたと考えられる26番、「ラメンタティオーネ」...
ということで、ジョヴァンニ・アントニーニの指揮、バーゼル室内管弦楽団の演奏で、26番、「ラメンタティオーネ」(Alpha/Alpha 678)と、トーマス・ファイ率いる、ハイデルベルク交響楽団の演奏で、49番、「受難」(hänssler/98.236)の2タイトルを聴く。

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18世紀、ドレスデンの宮廷教会のための音楽。 [before 2005]

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四旬節ということで、教会音楽を聴いております。でもって、バロックのもの...
いや、改めて音楽史を俯瞰して思うのです。バロック期は、教会音楽の黄金期!宗教改革があり、対抗宗教改革があって、教会の意識は変わり、人々に開かれた場所となって行く教会。その過程で、教会は音楽センターに進化し、より多くの人々が、より豊かな音楽に触れる機会が生まれ、ますます盛り上がり、発展して行った音楽... そうした教会と音楽の関係をつぶさに見つめると、宮廷の存在が、少し、小さく感じられてしまう。バロックを象徴するオペラは、フィレンツェの宮廷、あるいは、その廷臣たちの邸宅で煮詰められ、誕生(1597)するわけだけれど、その文化が大きく花開くのは、ヴェネツィアに公開のオペラハウスが開場(1637)してから... 一方、器楽曲では、17世紀後半、教皇領の地方都市、ボローニャを拠点とした音楽家たち、ボローニャ楽派の面々が、街の中心、サン・ペトローニオ大聖堂の構造を活かして、新しい音楽の形、つまり現在のクラシックの定番の形(ソナタやコンチェルト... )を提示し、最先端を走っていたわけだ。もちろん、宮廷の支援も欠かせなかったことは間違いない。けれども、より多くの人々と触れ合うことで、バロックの音楽は大きく花開いた。
さて、今回は、その対極を極めます。ヘルマン・マックス率いる合唱団、ラニッシェ・カントライと、ピリオド・オーケストラ、ダス・クライネ・コンツェルト、そして、マリフ・ザードリ(ソプラノ)、カイ・ヴェッセル(カウンターテナー)らによる、ドレスデンの宮廷の主、ポーラント王を兼ねたザクセン選帝侯のための教会音楽集、"MISERERE"(CAPRICCIO/C 10557)を聴く。

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ダッラーバコ、教会コンチェルト。 [before 2005]

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普段、当たり前のように「コンチェルト」という言葉を使っているけれど、コンチェルトの始まりに遡ると、その姿、今とはまったく異なるものでして、びっくりする。というコンチェルトが生まれたのは、教会... つまり、教会音楽だったコンチェルト!器楽の伴奏を伴って、聖歌隊が歌っておりました。で、この器楽による"伴奏"という概念の形成が「コンチェルト」の端緒となる。それは、バロックの曙が遠くに見え始めた頃、16世紀後半... ルネサンス・ポリフォニーでも楽器は用いられていたが、声部の一部を声に代わって奏でるもの。歌と演奏は並列(ぶっちゃけ、器楽による穴埋め的なイメージ?)。そこに、前面に立つ側と、伴奏に回る側という役割を持たせたのがコンチェルト。やがて、声楽と器楽という組合せばかりでなく、器楽と器楽という組合せも登場し、我々が知る「コンチェルト」への第一歩が記される... という歌われないコンチェルトも教会で盛んに演奏され、17世紀、教会ソナタのように、教会コンチェルトとして、発展を遂げて行く(って、もんの凄く掻い摘んでお伝えしております!)。
そうして、18世紀に入り、我々が知る「コンチェルト」誕生前夜の教会コンチェルトに注目!ヴェルナー・エールハルトが率いていた頃の切っ先鋭いコンチェルト・ケルンによる、教会コンチェルトを含むダッラーバコの協奏曲集(TELDEC/3984-22166-2)を聴く。

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ストラデッラ、聖ペラージャ/カルダーラ、キリストの足元のマッダレーナ。 [2017]

クラシックでオラトリオというと、やっぱり、お馴染み『メサイア』(1742)を書いたヘンデルのイメージが強い。が、17世紀半ば、ローマで誕生したオラトリオの歩みをつぶさに辿ると、オラトリオ作家、ヘンデルの存在が、少し異質に思えて来る。てか、ヘンデルの、イタリア・オペラ・ブームが去ったら英語のオラトリオ、どうでしょう?みたいなスタンスが、何か引っ掛かる... オラトリオって、そんなもんかァ?いや、18世紀、盛期バロックを迎え、時代はうつろって行く。ヘンデルの、華麗かつ、ダイナミックで、時としてエンターテイメントになり得てしまうオラトリオの姿に、感慨... 対抗宗教改革の熱、未だ冷めやらず、バロックの革新が生々しさを残していた頃の、如何ともし難い狂おしさのようなものが産み落としたオラトリオ。ヘンデルとはまた違ったベクトルで、聴き手に迫る音楽が展開されていたわけだけれど、次第に、あの狂おしさは失われて行って、何を得たか?答えはヘンデル... ということで、ヘンデルに至るオラトリオの道程を追いながら、盛期バロックへの展開を探ってみる。
アンドレア・デ・カルロ率いる、アンサンブル・マレ・ノストルムで、ストラデッラのオラトリオ『聖ペラージャ』(ARCANA/A 431)と、ダミアン・ギヨン率いる、ル・バンケ・セレストで、カルダーラのオラトリオ『キリストの足元のマッダレーナ』(Alpha/Alpha 426)を聴く。

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パンドルフィ、教会と室内のためのソナタ集、Op.3。 [2013]

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バロック期、イタリアの教会は、音楽センターだった!と言われても、ちょっとイメージし難いかもしれない。けれど、対抗宗教改革によって、なりふり構わず?音楽の力(は、今以上にインパクトがあったのかも... )を以ってして、人々を囲い込もうとした教会の方針が、結果、教会を音楽センター化させることに... さらにモノディーの発明(本来は極めて世俗的なものだったけれど、聖書をより力強く伝えるには最高の新技術!)が重なり、楽器の進化(パイプ・オルガンはもちろん、何と言っても一番は、ヴァイオリンの完成と、それに伴う弦楽合奏の充実!)も重なり、音楽センターは、ますます輝き、それによって、音楽もまたさらに進化を遂げて行く。で、おもしろいのは、ミサやオラトリオといった、典礼や聖書を歌うものばかりでなく、直接的にはキリスト教と関係の無い、器楽曲も充実していたこと!ということで、かつて教会を彩った器楽曲、教会ソナタに注目してみる。
グナール・レツボールのバロック・ヴァイオリンと、彼が率いるピリオド・アンサンブル、アルス・アンティクァ・オーストリアの演奏で、イタリア・バロックのヴァイオリニスト、パンドルフィの『教会と室内のためのソナタ集』、Op.3(ARCANA/A 369)を聴く。

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カリッシミ、イェフタ。 [2012]

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クラシックという音楽ジャンルは、他の音楽ジャンルに比べると、ひとつのジャンルとは言い難いほど、実に、実にヴァラエティに富んでいる!のだけれど、ちょっと視点を変えてみて、西洋音楽史から見つめると、また違ったイメージが浮かび上がる。西洋音楽の生みの母は教会であり、育ての父も教会であり、教会は家であり、学校であり、グレゴリオ聖歌が整備されてから千年、フランス革命(1789)により教会の地位が大きく揺らぐまで、教会音楽の歴史こそ、音楽史であり、教会は、西洋音楽史のメイン・ステージだった。というあたりを、少し、じっくり向き合ってみようかなと思いまして... というのは、一昨日から四旬節に入っておりまして... 別にキリスト教徒ではないのだけれど、華美な音楽は控えてみる?てか、教会を彩った音楽を聴くには最適な時節かなと考えまして... 西洋音楽史のメイン・ステージ、教会が、最も刺激的だった頃、対抗宗教改革の時代へ!
ルイス・アントニオ・ゴンサレス率いる、スペインの古楽アンサンブル、ロス・ムシコス・デ・ス・アルテーサの、カリッシミのオラトリオ『イェフタ』など、対抗宗教改革の時代ならではの作品を集めたアルバム、"Il tormento e l’estasi"(Alpha/Alpha 183)を聴く。

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シューマンの人生の変奏、アベッグから天使へ... [2011]

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一昨日は桃の節句で、明日は啓蟄(暖かくなって、虫たちが土から顔を出す!)... 春は、暦の上にもしっかりと刻まれております。でもって、キリスト教圏では、本日、謝肉祭=カーニヴァルの最終日!さて、カーニヴァルなんて言うと、仮装(ヴェネツィアのやつ...)して、サンバ(リオのやつ... )を踊って、みたいなイメージが、日本人の頭にすっかり刷り込まれているのだけれど、実際には、キリスト教における断食月(厳密な意味での断食はありません... )、四旬節において、肉食を控える前に、肉を食べておこうというのが謝"肉"祭の意味。けして、仮装したり、サンバを踊ったりすることがカーニヴァルではないのです。が、四旬節に入る前に、肉食べといて、できる内にドンチャン騒ぎしておきましょう!に発展したのがカーニヴァル... となると、夏にやる浅草サンバカーニバルも、本当は今頃やっていないと嘘になる?いや、浅草サンバ盆踊りとすれば、これ以上なくしっくり来る気がするのだよね... となると、一昨日、開催された、東京マラソンを、東京カーニヴァル・マラソン(仮装している人いるし... )にすると、世界的には強くアピールできそうな気がする。は、さて置きまして、音楽における謝肉祭!
ということで、シューマンの『謝肉祭』... フランスのベテラン、エリック・ル・サージュのピアノによる、シューマンのピアノ作品全集(ピアノを伴う室内楽作品も含む... )から、『謝肉祭』、『こどもの情景』といった代表作を始めとする、初期から晩年に掛けての多彩な作品を収録した最終巻、Vol.11、2枚組(Alpha/Alpha 169)。クララに続いてシューマンのピアノ作品を聴く。

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クララの愛と生涯、そして、作曲... [before 2005]

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3月です。ふと気付くと、そこはかとなしに春めいている。何だかほっとします。さて、明日、3月3日は雛祭り... ということで、女性作曲家に注目!って、あんまりにも安易なのだけれど、いや、改めてクラシックにおける女性作曲家という存在を見つめれば、これくらいベタな時に、意識的に取り上げないといけないような気がして... というのも、当blogがこれまで取り上げた女性作曲家、何人いただろう?と、振り返ってみたら、衝撃を受けた... カッシアヒルデガルト・フォン・ビンゲンジャケ・ド・ラ・ゲールエイミー・ビーチリリ・ブーランジェ... 現代音楽を含めれば、また状況は変わってくるものの、クラシックとしては、圧倒的に男の世界なのだなと、改めて思い知らされる。で、今回、取り上げようと思うのが、今年、生誕200年を迎える、クララ・シューマン。シューマンの妻として、ピアニストとして知られるクララだけれど、作曲家としても、実は、確かな腕を持っていた!
そんな、クララの音楽... シューマンを得意とするベルギーのピアニスト、ヨーゼフ・デ・ベーンホーヴァーの演奏で、クララ・シューマンのピアノ作品全集、3枚組(cpo/999 758-2)を聴く。いや、「シューマンの妻」というイメージ、吹き飛ぶ充実っぷりに、びっくり...

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生誕150年、プフィッツナー、近代音楽に包囲されて、コンチェルト... [before 2005]

1920年代のベルリン... 今、振り返ってみると、何だかファンタジーに思えて来る。第一次世界大戦の敗戦(1918)によって、ドイツは、政治も経済もズタボロ(びっくりするようなインフレ!)、かつ迷走(の先に、ナチスの政権掌握... )しまくりな状態ながら、驚くほど自由な文化が花開き、それをまた人々が享受し、ますます刺激的な表現が生まれるという、ヴァイマル文化!バウハウスの建築家やデザイナーたちが生み出す、フューチャリスティックな風景。新即物主義の画家たちが描く、エグい画面。人を喰ったような『三文オペラ』(1928)。ディストピアを描く映画『メトロポリス』(1827)。表現主義のダークさ、ダダイズムのイっちゃった観、ジャズが一世を風靡し、キャバレーが活況を呈し、それ以前には考えられないほどエキセントリックで、キッチュで、享楽的で... 裏を返せば、ズタボロのリアルから逃避するようで、また旧来の価値観がズタボロになったからこそ、人々は解き放たれ、輝いた1920年代のベルリンなのだろう。しかし、けして人々は楽観視していない... どんなに享楽的であっても、常に闇を孕むヴァイマル文化。その後を襲うナチズムの恐怖は、その闇に予告されていたのかも... ということで、そんなベルリンにて、飄々とロマン主義を響かせていた生誕150年、プフィッツナーに注目!
フォルカー・バンフィールドのピアノ、ヴェルナー・アンドレアス・アルベルトの指揮、ミュンヒェン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、プフィッツナーのピアノ協奏曲(cpo/999 045-2)と、サシュコ・ガヴリーロフのヴァイオリン、ヴェルナー・アンドレアス・アルベルトの指揮、バンベルク交響楽団の演奏で、プフィッツナーのヴァイオリン協奏曲(cpo/999 079-2)を聴く。

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生誕150年、プフィッツナー、過去を想う、『ドイツ精神について』。 [2008]

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2月は、すっかりメモリアル月間です。生誕200年のグヴィ(1819-98)、オッフェンバック(1819-80)に続き、生誕150年のプフィッツナー(1869-1949)に注目しております。さて、最後のロマン主義者、プフィッツナー... 頑なにモダニズムを遠ざけ、徹底して保守的態度を取ったことで、やがて20世紀の闇に呑まれ、翻弄され、不本意な評価に留まる現在。もし、その誕生が、半世紀、早かったのなら、この人のクラシックにおける位置付けは大きく変わった気がする。その作曲家としての技量は間違いなく確かなものがあって、それが、20世紀ではなく、19世紀だったなら、極めて斬新で、時代の前衛を突っ走って、次々に革新を起こして行ったかもしれない。しかし、19世紀も半ばを過ぎて生まれて来てしまったがために、ロマン主義者として、革新ではなく、保守に回らなくてはならなかった定め... プフィッツナーは、最後のロマン主義者なのではなく、遅過ぎたロマン主義者なのかもしれない。遅過ぎたから、そのロマン主義的な態度が悪目立ちしてしまう気がする。そんな作品のひとつと言えようか?第一次世界大戦、ドイツ革命、ドイツの敗戦、間もない頃に書かれた作品に注目してみる。
ということで、インゴ・メッツマッハーが率いたベルリン・ドイツ交響楽団の演奏、ソルヴェイグ・クリンゲルボルン(ソプラノ)、ナタリー・シュトゥッツマン(メッゾ・ソプラノ)、クリストファー・ベントリス(テノール)、ロベルト・ホル(バス)、ベルリン放送合唱団の歌で、プフィッツナーのカンタータ『ドイツ精神について』(PHOENIX Edition/PE 145)。まず、そのタイトルのインパクトが凄い...

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