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ラヴェル、その色彩を辿って、印象主義の向こうに見える風景... [before 2005]

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グレゴリオ聖歌の精製以来、音楽史は、常に大きな流れを作って来た。が、20世紀に入って、流れは一気に細分化、様々な個性が炸裂する事態に... こうしたあたりが、近代音楽、現代音楽を、より解り難いものとしているように感じる(もちろん、事実、解り難い音楽もあるのだけれど... )。追い切れないほどの、際立った個性が、バラバラと散らばっていて、聴く者の許容量を越えて存在するのが、20世紀の音楽かなと... とは言うものの、散らばった個性を、ひとつひとつ見つめれば、同時代としてのつながり、あるいは作曲家たちのナショナリティに籠められた音楽におけるDNAを見出し、それらを新たな視点でマッピングすると、興味深い「20世紀」のパースペクティヴが浮かび上がる。例えば、アメリカのミニマル・ミュージックのサイケデリックに通じる、戦後のメシアンのカラフルさ... また、メシアンのカラフルさには、色彩に対するフランス音楽の伝統も見出せて...
さて、サイケデリックなライリーからのアメリカのメシアンに続いて、フランス音楽を少し遡り、ラヴェル。一見、突飛にも感じられるメシアンのカラフルさだけれど、それはすでにラヴェルの音楽の中に生まれていたように思う... そんな色彩を求めて、アレクサンドル・タローが弾く、ラヴェルのピアノ作品全集(harmonia mundi FRANCE/HMC 901811)を聴いてみる。

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メシアン、アメリカ西部を行く。峡谷から星たちへ... [before 2005]

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7月4日が、アメリカの独立記念日。7月14日が、フランスの革命記念日。
この近さが、おもしろいなと感じる。7月というのは、独立とか、革命とか、そういうものが起きやすい月?って、2017年、日本の7月は、あの都議選で幕を開けているのも象徴的?というあたりはさて置き、アメリカとフランス、実際に近かったりする。アメリカ独立戦争を支援したフランス。その独立100周年に、フランス革命のシンボル、自由の女神がアメリカに贈られて、今、ニューヨークに立っているわけで... 大西洋を挟んで、アメリカとフランスの関係性は、なかなか興味深い。ま、現在は、パリ協定だの何だのと、トンデモ大統領のせいで、ギクシャクしているわけだけれど、それでも、今年の革命記念日は、米仏両大統領、エッフェル塔でディナーだというから、すばらしいのではないでしょうか。って、それも大変みたいだけれど... さて、自由の女神がアメリカに贈られてから100年後、独立200周年のために、今度は音楽が贈られようとしておりました。
20世紀、フランスを代表する作曲家のひとり、メシアンが、アメリカ西部を旅して得たインスピレーションを音楽にまとめた異色の大作... チョン・ミュンフンが率いたフランス放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏、ロジェ・ミュラロのピアノ、ジャン・ジャック・ジュスタフレのホルンで、メシアンの『峡谷から星たちへ... 』(Deutsche Grammophon/417 617-2)を聴く。

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サイケデリック、キードード・スタディーズ。 [before 2005]

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さて、ちょっと大掴みに20世紀の音楽を俯瞰してみます。で、20世紀の音楽は、近代以前と、「近代」、「現代」の3つに区分することができる。近代以前は、ウィーン世紀末に象徴される19世紀の延長。「近代」は、第1次大戦前夜、『春の祭典』のセンセーショナルな初演(1913)に端を発し、その「近代」の中で発明された12音技法を、より純化させたヴェーベルンが命を落とす第2次大戦終戦の年(1945)に「現代」は始まる。ヴェーベルンを起点に、総音列音楽を完成させるブーレーズ(となると、これもまた前の時代の延長か... )。音楽は、数値に基づく究極の抽象へと至る。が、そのシステマティックを極めた在り様に疑義を呈する偶然性の音楽の登場で、揺るぎようの無い総音列音楽が、呆気なく揺らぎ始める1950年代。揺らいでしまって、「現代」の音楽は、複雑怪奇(制御された偶然性とか、もう、苦し紛れ... )なものへと変容して行く。そうした中、1960年代、サイケデリックな文化が勃興するのに合わせて出現するのが、ミニマル・ミュージック。よりシンプルな形から、圧倒的な抽象へと至る音楽は、「現代」の音楽のみならず、様々な音楽に広く影響を与え、20世紀の音楽にカンフル剤となる。
ということで、前回、聴いた、グラスの『コヤニスカッツィ』(1982)に続いてのミニマル・ミュージック。いや、まさにミニマル・ミュージック!1960年代、サイケデリック全盛期のミニマル・ミュージック!異色のコンポーザー・ピアニスト、シュテッフェン・シュライエルマッハーの演奏とプログラミングで、テリー・ライリーのキーボード・スタディーズ(MDG/MDG 613 1135-2)を聴く。

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コヤニスカッツィ... それは、我々の時代への警句... [before 2005]

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アメリカがパリ協定から離脱すると表明して一ヶ月が過ぎました。おかげ様で、気温が上昇してきましたよ。なんてことはありませんが、7月となり、身体に悪い感じの暑さが、蔓延って参りました。早速、夏バテ気味です。いや、この夏バテ感が、年々、早まっている気がするのです。で、そうしたあたりに、ひしひしと温暖化を感じてしまう... てか、そんなのんきなことを言っていられない!九州豪雨の惨状(一日も早い復興を願うばかりです... )、土砂に半分埋まってしまった家々を映し出すニュースに、居た堪れなくなってしまう。こんな異常な雨の降り方、これまでにあっただろうか?もはや、アメリカがどうのと騒いでいる場合ではなく、今、目の前にある、新たなレベルに突入しつつある大気と向き合い、できるところから、ひとつひとつやって行くしかないのだなと...
ということで、まだ温暖化が叫ばれる前、すでに近代社会に警鐘をならしていた異色のドキュメンタリー映画に注目。マイケル・リーズマンの指揮、ウェスタン・ウィンド・ヴォーカル・アンサンブルのコーラス、フィリップ・グラス・アンサンブルのメンバーの演奏、アルバート・デ・ルーターのヴォーカルで、『コヤニスカッツィ』(NONESUCH/7559-79506-2)を聴く。

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ゴッド・ブレス... ホワイトハウス・カンタータ! [before 2005]

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さてさて、政治が一気に盛り上がりました。日本で、というか、東京で... やっぱり、酉年騒ぐんだわ、まったく... それにしても、イギリスしかり、フランスしかり、興味深い事態が続きます。一方で、アメリカに視点を移すと、また違った騒ぎに中てられるやら、呆れるやら... 過激なつぶやき大統領が、今度は某テレビ局をボッコボコにしてる映像をアップして、ユーチューバーでも目指すつもりか?いや、大統領の仕事以外で、こうも悪目立ちできるって、不思議。世界は、アメリカは、問題山積であって、現実的に、そんな暇は皆無のはずだけれど... しかし、歴史をつぶさに見つめると、アメリカ大統領、必ずしも、みな立派な人ではないということを知る。裏を返せば、世界は、あまりにアメリカに理想を求め過ぎるのかもしれない(そう仕向けて来た、アメリカの印象操作、見事!)。という、戒めを籠めて、アメリカ独立記念日、ホワイトハウスを舞台とした大騒ぎのカンタータで祝う!
ということで、ケント・ナガノの指揮、ロンドン交響楽団の演奏、ロンドン・ヴォイセズのコーラス、ジューン・アンダーソン(ソプラノ)、バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ)、トーマス・ハンプソン(バリトン)ら、アメリカが誇る豪華歌手陣による、アメリカ合衆国の歴史を辿る異色作、バーンスタインのホワイトハウス・カンタータ(Deutsche Grammophon/463 448-2)を聴く。

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生誕150年、エイミー・ビーチ、堂々たるロマン主義、ピアノ協奏曲。 [2017]

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音楽、musicの語源は、ギリシア神話の文芸(音楽を含む... )を司る女神、musa(英語で、ミューズ... )に因む。古代、音楽は、実に女性に因るものだったか?で、その後、どうだろう... 音楽史を振り返れば、女性の存在は希薄。長い間、教会で女性が歌うことは忌避されていたし、バロック期のオペラでは、女性が舞台に立つことが禁じられていたこともあった。が、音楽史を丁寧に見つめると、興味深い女性たちの存在がちらほら浮かび上がって来る。中世のマルチ・クリエイター、修道女で、神秘家で、作曲家のヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179)... ルネサンス期のフェッラーラの宮廷で活動し、ジェズアルドらに大いに刺激を与えた女声ヴォーカル・アンサンブル、コンチェルト・デッレ・ドンネ... 17世紀、ヴェネツィアで活躍したシンガー・ソングライター、バルバラ・ストロッツィ(1619-77)... 同じくヴェネツィアで人気を博した、孤児院付属音楽学校の女子オーケストラの数々... ヴェルサイユを彩ったマエストラ、エリザベト・ジャケ・ド・ラ・ゲール(1665-1729)... そして、お馴染み、ピアノのヴィルトゥオーザ、クララ・シューマン(1819-96)... でもって、今回、取り上げるのが、アメリカの女性作曲家の草分け、エイミー・ビーチ(1867-1944)。今年、生誕150年のメモリアルを迎える。
ということで、hyperionの"The Romantic Piano Concerto"のシリーズから、ダニー・ドライヴァーのピアノ、レベッカ・ミラーの指揮、BBCスコティッシュ交響楽団の演奏で、エイミー・ビーチのピアノ協奏曲に、イギリスの作曲家、ドロシー・ハウエル、フランスの作曲家、セシル・シャミナードの作品も取り上げる女流ピアノ協奏曲集(hyperion/CDA 68130)を聴く。

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キース・ジャレット、20世紀のピアノ協奏曲を弾く。 [2015]

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6月が終わります。そして、2017年も半分が過ぎようとしています。
さて、ECM NEW SERIESを聴いて来た6月ですが、この人を取り上げなくては終われないかなと、キース・ジャレット... ジャズ界におけるピアノの大家にして、ECMの大看板。その人が、ECM NEW SERIESでは、クラシックを弾いてしまうから、凄い。それも、ジャズ・アレンジで... なんて言う、お茶を濁すようなことは、一切無し。バッハからショスタコーヴィチまで、実にフレキシブルにクラシックと向き合っている!いや、改めてその姿を見つめると、唸ってしまう。そう容易いものではないはずだけれど、飄々とジャンルを越えてしまう、キース... 裏を返せば、ジャズだろうが、クラシックだろうが関係無く、ただ単に音楽そのものと向き合っているのだろう。で、この姿勢、ECMの精神、そのもののように感じる。そして、こういうニュートラルさが、クラシックに、音楽に、新しい可能性を拓くように感じる。ECM NEW SERIESを聴いて来て、そんな風に感じる。
ということで、1984年のライヴ、デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮、ザールブリュッケン放送交響楽団の伴奏で、バーバーのピアノ協奏曲と、1985年のライヴ、秋山和慶の指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団の伴奏で、バルトークの3番のピアノ協奏曲を収録した、2015年のキース・ジャレット生誕70年を祝う記念盤(ECM NEW SERIES/481 1580)を聴く。

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解き放たれるヤナーチェク。個性の後ろにロマンティック。 [before 2005]

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ECM NEW SERIESというと、アルヴォ・ペルトのような、ポスト"ゲンダイオンガク"な存在に、ジャズ(本業)とのコラヴォレーション、"Officium"といったアルバムが目立つのだけれど、意外とクラシックの定番も充実している。そのあたりを担っているのが、トマス・ツェートマイアーや、アンドラーシュ・シフといった手堅いベテラン、マエストロたち... いや、彼らの手堅さは、ECM NEW SERIESの雰囲気からすると、ちょっと浮いてさえいる気がする。が、今、改めてクラシックを俯瞰してみると、手堅い演奏家、取り組みというのが、貴重?そうした中にあっての手堅さは、一周回って、ECMの、アイヒャーの姿勢、そのものにも思えて来る。クールでスタイリッシュなばかりがECM NEW SERIESではない。今こそ、手堅く音楽と向き合うことが、クールでスタイリッシュなのかもしれない。いや、ECM NEW SERIESを改めて見つめると、クラシックの現在を、いろいろ考えさせられるなと...
ということで、手堅いECM NEW SERIESを代表する存在。ベートーヴェンのピアノ・ソナタのツィクルスが評判を呼んだ、ハンガリーのマエストロ、アンドラーシュ・シフによる、ヤナーチェクのピアノ作品集(ECM NEW SERIES/461 660-2)を聴いてみる。

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時間を消失させてしまう、リュビモフの魔法、"Der Bote"。 [before 2005]

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6月は、ECM NEW SERIES... 梅雨の季節にしっくり来るかなと、そんな思い付きで聴き始めたものの、いや、改めて見つめてみるECM NEW SERIESは、ただならない。モノトーンの印象的なジャケットを纏ったタイトルは、どれも既存のクラシックとは一線を画し、クール。で、そのクールさを分析すると、プロデューサー、アイヒャーの希有な感性が強く感じられ、また、それを貫くために、クラシックの作法を打ち破るラディカルさを見出す。モノトーンで、クールな雰囲気とは裏腹に、ECM NEW SERIESは、常に戦いを挑んでいた。ジャズからやって来た門外漢なればこそ可能な革新が、ECM NEW SERIESには充ち満ちている。そして、21世紀のクラシックを何気に俯瞰してみると、ECM NEW SERIESの存在が、そこはかとなしに影響を与えているように感じられる。ドンとスターが前面に立ち、ドヤ顔で名曲を奏でてセールスを稼ぐという時代は、今や昔... そうした中で、ECM NEW SERIESの真摯に音楽を見つめる姿勢は先駆的だったなと、今、改めて感慨を覚える。
で、そんなECM NEW SERIESの姿勢を強く感じることのできる1枚、でもって、アレクセイ・リュビモフのECM NEW SERIES、初登場だった1枚... ポスト・バロックのカール・フィリップ・エマヌエル・バッハから、ポスト"ゲンダイオンガク"とも言えるシルヴェストロフまで、幅広い音楽をエレジーで綴るアルバム、"Der Bote"(ECM NEW SERIES/461 812-2)を聴く。

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タリスからバッハへ、時代のうつろいと、時代を超越する輝き。 [before 2005]

クレーメル+クレメラータ・バルティカによるマーラーとショスタコーヴィチに始まって、スウェーデン放送合唱団のシュニトケメレディス・モンクハイナー・ゲッベルスアルヴォ・ペルトと、ECM NEW SERIESならではの近現代のアルバムをいろいろ聴いて来たのだけれど、ここで、時代を遡って、ECM NEW SERIESの古楽、バロックを聴いてみようと思う。で、時代を遡っても、ECM NEW SERIESならではのセンスは、活きているのだよね... 近現代へアプローチするよりも、いろいろ制約が大きいように感じられる古い音楽も、プロデューサー、アイヒャーの手に掛かれば、ECM NEW SERIESのトーンに落ち着いてしまう。裏を返せば、古楽だから、バロックだからと、特別視することなく、近現代の音楽と向き合うように、ニュートラルに、その音楽を捉えているのだろうなと... いや、ECM NEW SERIESのトーンというのは、このニュートラルさにあるのかなと...
ということで、ECM NEW SERIESの古い音楽担当(時々、現代音楽も... )、イギリスの男声ヴォーカル・アンサンブル、ヒリアード・アンサンブルによる、イギリス・ルネサンスの絶頂期、タリスのエレミア哀歌と4声のミサ(ECM NEW SERIES/833 308-2)に、ドイツ・バロックの爛熟期、バッハの6つのモテット(ECM NEW SERIES/476 5776)の2タイトルを聴く。

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