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ブルックナー、8番の交響曲、オルガン版。 [before 2005]

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田舎のオルガニストを務めていた父、村の教会のオルガンが音楽への入口となり、修道院のパイプ・オルガンに育てられたブルックナー... 希代のシンフォニストは、オルガニストでもあったこと、何となく忘れがちなのかもしれない。ま、交響曲のインパクトがあまりに強過ぎるからなのだろうけれど... しかし、そのインパクトの源泉にあるのが、パイプ・オルガンのように感じる。ゴシック期に教会へと導入されて以来、揺ぎ無く教会に鎮座し、独特な地位を築いて来たパイプ・オルガンの、時代を超越する響き、泰然とした古風な在り方が、ブルックナーの交響曲には深く刻まれているように感じる。そうして、他のシンフォニストたちとは違うインパクトを生むのかなと... そもそも、他のシンフォニストたちと音楽の捉え方が違うのかもしれない。ふと、そんなことを考える。
ということで、オルガニスト、ブルックナーから、シンフォニスト、ブルックナーを紐解く、なかなか興味深い1枚... スイスのオルガンの巨匠、ライオネル・ロッグがアレンジし、自らで弾いた、ブルックナーの8番の交響曲のオルガン版(BIS/BIS-CD-946)を聴く。

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リリ・ブーランジェ、ファウストとエレーヌ。 [before 2005]

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今から100年前、1918年、第1次世界大戦(1914-18)は終結した。日本で戦争というと、第2次大戦のイメージが強いからか、少しインパクトに欠けるようなところがあるのだけれど、最初の近代戦争であり、何と言っても「世界大戦」、その被害と影響は多大なものがあった。その戦争が終わる8ヶ月前、3月25日、空襲警報が鳴り響くパリで、ドビュッシーはこの世を去る。あと数年、その死を伸ばせたなら、近代音楽の席巻を目の当たりにできただろう。狂騒の1920年代、ジャズ・エイジに接したなら、ドビュッシーの音楽はどんな風に変化しただろう。没後100年のメモリアル、いろいろ考えてしまう。そして、ドビュッシーが息を引き取る10日前に、若くして世を去った女性作曲家がいた。名教師、ナディア・ブーランジェの妹、リリ・ブーランジェ...
ということで、もうひとりの没後100年のメモリアルを見つめる。ヤン・パスカル・トルトゥリエが率いた、BBCフィルハーモニックの演奏、リン・ドーソン(ソプラノ)らの歌で、リリ・ブーランジェのカンタータ『ファウストとエレーヌ』(CHANDOS/CHAN 9745)を聴く。

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ドビュッシーの未完のオペラ、ロドリーグとシメーヌ。 [before 2005]

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さて、6月です。なんとなーく、梅雨っぽくなって来ました。そこで、しっとりとした音楽を... って、ちょっと安易な気もするのだけれど、音は空気を伝わって耳に届くもの。ならば、その時々の大気に合った音楽というのも、あるんじゃないかなと... 季節が巡るごとに、聴く音楽も変えて行く。旬なものを食す感覚が、音楽にも見出される気がするのです。そして、しっとりとした音楽、ドビュッシー。2018年は、ドビュッシー(1862-1918)の没後100年のメモリアル。そういう点でもまた、旬かなと... とは言うものの、ドビュッシーのメモリアル、盛り上がってる?今から6年前、2012年が生誕150年だったばかりに、若干、有難味が薄れてしまったような... いや、これくらいが、天の邪鬼、ドビュッシーには、ちょうど良いのかもしれない。そんな、湿気気味のメモリアル(なんて言ったら、叱られそうだけれど... )にぴったりな、マニアックなオペラを聴いてみようかなと思う。
ということで、ケント・ナガノが率いたリヨン歌劇場、ドナ・ブラウン(ソプラノ)、ロレンス・デイル(テノール)らの歌で、デニソフによって補筆、オーケストレーションされた、ドビュッシーの未完のオペラ『ロドリーグとシメーヌ』(ERATO/4509-98508-2)を聴く。

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シューマン、楽園とペリ。 [before 2005]

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シューマンの人生を辿ると、「歌の年」、「交響曲の年」、「室内楽の年」、「オラトリオの年」といったトピックが目を引く... 『女の愛と生涯』など、シューマンの代表的な歌曲が多く生み出された「歌の年」、1840年。1番の交響曲と、4番の交響曲の原典版も書き上げた「交響曲の年」、1841年。3つの弦楽四重奏曲と、ピアノ四重奏曲、ピアノ五重奏曲を作曲する「室内楽の年」、1842年。そして、オラトリオ『楽園とペリ』を完成させた「オラトリオの年」、1843年。それぞれの年の、それぞれのジャンルでの充実に目を見張る一方で、1840年、1841年、1842年、1843年と、シューマンの創作意欲の旺盛さに驚かされる。ライン川に身を投げてみたり、精神病院に収容されたりと、シューマンのイメージはダークなものがあって、そうしたイメージの反映もあってか、シューマンの音楽には仄暗さを感じるのだけれど、今、改めてシューマンの人生を紐解くと、輝かしい瞬間も... 特に、クララとの結婚が成った1840年からの4年間は、その幸せがそのまま作曲に結び付いているかのよう...
ということで、その4年目、1843年、「オラトリオの年」に注目してみる。ジョン・エリオット・ガーディナー率いる、オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティーク、モンテヴェルディ合唱団に、バーバラ・ボニー(ソプラノ)、クリストフ・プレガルディエン(テノール)ら、実力派の歌手たちを揃えての、シューマンのオラトリオ『楽園とペリ』(ARCHIV/457 660-2)を聴く。

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シューマン、交響曲全集。 [before 2005]

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さようなら、連休。そうして、再び喧騒が戻って来る。これには、気が滅入ります。一方で、春はますます以って勢い付いて、勢い余って、いきなり夏日みたいなことになるのだろうなァ。で、早速、夏バテ気味みたいな状態に陥るのだろうなァ。ということを恐れつつも、大気が一気に生気に充ち満ちて、プレ夏バテを起こすほどパワフルになってしまう5月の陽気って、嫌いじゃない。「5月病」という言葉もあるけれど、周りの景色を見渡せば、一年で、最もポジティヴな時期に思えて来る5月... ということで、美しき5月の到来を歌い幕を開けるメルヒェン、シューマンのオラトリオ『ばらの巡礼』を聴いたので、今度は、同じくシューマンの、「春」の交響曲を聴いてみようかなと... いや、シューマンの音楽には、"春"をイメージさせる要素が多いように感じる。初々しさ、花々しさ、ナイーヴさ、のどやかさ... でもって、その交響曲は、まさに5月の勢い付く春の姿を思わせて、好き!
ということで、ジョン・エリオット・ガーディナー率いるオルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティークの演奏で、習作的なツヴィッカウ交響曲に、4番の初稿なども取り上げ、マニアックに網羅する3枚組、シューマンの交響曲全集(ARCHIV/457 591-2)を聴く。

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シューマン、ばらの巡礼。 [before 2005]

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5月です。そして、連休です。でもって、家にいます。
いや、輝かしき5月!今日は、ちょっと天候が優れないものの、太陽の光は燦々と降り注ぎ、花はあちこちで咲いていて、まさに、春爛漫の5月。それは、一年で、最も麗しい時期と言えるのかもしれません。そういう中で、家にいるって、どーなんだろ?いやいや、行楽地は、今頃、どこも大変なことになっているのだろうなァ。一年で、最も麗しい時期なればこその、麗しからざる混雑が生まれるというジレンマ... 一方で、家の周りは驚くほど静か!こうも静かになるものかと、ちょっと驚かされるほど... で、その静けさの中で感じる春爛漫は、ささやかながら、より麗しさが引き立つような... と、この間、線路際を散歩していて、ふと思う。ということで、5月な音楽を聴いてみようかなと... 作曲家たちも、5月から、いろいろインスパイアされているのだよね。モーツァルトの「五月の歌」を始めとして、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン...
そして、今回は、マーカス・クリードが率いたRIAS室内合唱団と、クリスティアーネ・エルツェ(ソプラノ)、ビルギット・レンメルト(アルト)、ヴェルナー・ギューラ(テノール)、ハンノ・ミューラー・ブラッハマン(バス)らの歌、フィリップ・メイヤーズによるピリオドのピアノの伴奏で、シューマンのオラトリオ『ばらの巡礼』(harmonia mundi FRANCE/HMA 1951668)を聴く。

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ブルックナー、8番の交響曲。 [before 2005]

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音楽で世界が浄化できたならば... そんなことをつい妄想してしまう今日この頃、世界を浄化できる音楽があるとするならば、それはどんな音楽だろう?ということで、モーツァルトの「ジュピター」と、シューベルトの「グレイト」を聴いたのだけれど、ここで、大本命、ブルックナー!いや、ブルックナーの交響曲って、「浄化」と言うより、「消毒」ってくらいに強烈なサウンドを放って来て、ただならないインパクトがある。絶対音楽たる交響曲の、その極北にあるだろうブルックナーの交響曲の峻厳さは、聴き手にとって、時として暴力的ですらあって、恐くすらなる(いや、以前は苦手でした... )。けど、それは、間違いなく壮麗で、圧倒的で、音楽というスケールで捉えることをやめると、ナチュラルに受け止めることができるのか... 受け止めてしまえば、後はもう、浄化されるがまま?
ということで、「ジュピター」、「グレイト」に続いての、音楽による浄化の試み、最終兵器!ブルックナーの交響曲... リッカルド・シャイーが率いたロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ブルックナーの8番の交響曲(DECCA/466 653-2)を聴く。

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モーツァルト、ジュピター。 [before 2005]

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近頃、世の中、どんどんこんがらがってます。でもって、誰も、その"こんがらがり"を解こうとはしないのだよね... 解かねば、何も解決しないはずなのに、解こうとしない。それどころか、余計にこんがらがらせて、悦に入っているようなところもあって、いや、もうついて行けない。てか、そのこんがらがり様を、日々、目の当たりにさせられると、疲弊します。ところで、最近、風が強い日が多いような... いや、強いどころか、いろいろ被害をもたらすことも... 夜中なんかに、ゴォーッ、ゴォーッという、凄い音を耳にすると、恐くなる。けど、これって、今の"こんがらがり"を、大気が吹き浄めようとしているのでは?ふと、そんなイメージが頭に浮かぶ。もちろん、春、本格化を前にした気象現象に過ぎないのだけれど、ワーグナーの"指環"の最後に重なるような... 四夜に渡って、ただならずこんがらがってしまった古の世界は、ライン河の氾濫によって、全てが押し流され、清浄を取り戻すわけだけれど、ご都合主義に思えた、あの『神々の黄昏』のフィナーレも、今となっては、もの凄く、共感できる。って、それは、自棄が過ぎるか... そこで、風でも、洪水でもなく、"こんがらがり"を浄めるために、音楽を聴く!
ということで、モーツァルト... アマデウス、神に愛された天才が持つ無垢は、癒しを越えて、浄化を促す?ような気がして... ジョン・エリオット・ガーディナー率いる、イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏で、モーツァルトが至った希有な境地を響かせる、最後の2つの交響曲、エモーショナルな第40番と、パワフルな41番、「ジュピター」(PHILIPS/426 315-2)を聴く。

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エイヴィソン、ドメニコ・スカルラッティの練習曲に基づく7声の協奏曲。 [before 2005]

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ポルトガル王女からスペイン王妃となったマリア・バルバラ(1711-58)の下、密やかに生み出されていた、マリア・バルバラの師、ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)の鍵盤楽器のためのソナタの数々は、スター・カストラート、ファリネッリ(ロンドンで活躍した後、マドリードの宮廷に招聘されていた... )が見出したことで、1738年、ヨーロッパ切っての音楽マーケット、ロンドンにて、出版される。すると、海賊版が出回るほどの評判を呼び、そこから新たな展開が生まれることに... 鍵盤楽器のためのソナタは、合奏協奏曲にアレンジされる!それは、評判の洋楽を、自国流にアレンジして、より楽しんじゃおう!みたいなノリだったろうか... ドメニコ・スカルラッティに限らず、様々なアレンジ(大人気だったコレッリの作品とか... )を生み出しているのが、18世紀、イギリスの音楽シーンのおもしろいところ。ヨーロッパ大陸を凌ぐロンドンの繁栄がありながらも、海を渡った対岸というローカル性も自覚していた、その頃のイギリス、日本における洋楽、邦楽に似た感覚が存在したのかも?そんな風に捉えると、当時のイギリスの音楽ファンに親近感を覚え、遠い時代がより近くに感じられる気がして来る。
ということで、合奏協奏曲にアレンジされたドメニコ・スカルラッティの鍵盤楽器のためのソナタ... カフェ・ツィンマーマンの演奏で、ヘンデルの時代からヨハン・クリスティアン・バッハがロンドンにやって来た頃まで、作曲家として、著述家として、イギリスで活躍した、エイヴィソン(1709-70)による、ドメニコ・スカルラッティの練習曲に基づく7声の協奏曲(Alpha/Alpha 031)を聴く。

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秘密の実験室で生まれた、不思議な光を放つソナタ、スカルラッティ。 [before 2005]

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鍵盤楽器のためのソナタでお馴染みのドメニコ・スカルラッティ。なのだけど、改めて音楽史からその存在を見つめると、掴みどころがないような印象があって、戸惑いを感じることも... バッハ、ヘンデルと同い年、盛期バロックに活躍した世代でありながら、バッハ、ヘンデルの時代感覚とは、どこかズレているようで、そのズレがまた、より先を行くようでもあり、遅れているようでもあり、鍵盤楽器のためのソナタのみならず、ドメニコ・スカルラッティの音楽に触れていると、時代感覚が消失してしまいそうで、不思議。で、この不思議さは、どこから来るのか?いろいろ考えてみると、マイペースさから来るような気がする。イタリアの最新のスタイルを吸収しようと、そのコピーを試みたバッハ、イタリア・オペラ・ブームに乗りつつ、そのブームに振り回されたヘンデルが象徴するように、モードが強く意識された時代、ドメニコ・スカルラッティは、少し奇妙に思えるほど、そうしたモードから距離を取るのか... なればこそ、その音楽は、今を以ってしても瑞々しさを保ち続けているように思う。
ということで、前回、ピアノによるソナタを聴いたので、今度はチェンバロで... クリストフ・ルセの演奏による、ドメニコ・スカルラッティのソナタ(L'OISEAU-LYRE/458 165-2)。そうして、ドメニコ・スカルラッティ、その人について、改めて見つめ直してみる。

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