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始まりに還り、始める。 [2005]

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クラシック=西洋音楽史の始まりはいつ?
となると、グレゴリオ聖歌となるのだろう。が、グレゴリオ聖歌に始まる壮大なる音楽史を丁寧に辿ってみると、大きな転換点がある。クラシックのアイコン、バッハの存在?クラシックのシンボル、交響曲の誕生?あるいは、音楽を貴族から市民へと解放(という近代史観は、もう古い?)したフランス革命?それまで連綿と育んできたものをブチ壊した12音技法の発明?よくよく見ると、転換点はいろいろ存在する。が、現代、我々が聴き馴染んだ音楽から音楽史を振り返るならば、ルネサンス末、モノディの登場こそ、大きな転換点であり、我々が聴き馴染んでいる音楽の始まりと言えるのではないだろうか?ポリフォニーからモノディへ... 多声からひとつの旋律が掬い上げられて、音楽により具体的な形が与えられたこの革新こそ、最も大きな転換だったのでは...
という、モノディが登場した頃に遡って、このblogの始まりのアルバムとしたい。ルネサンスのポリフォニーから脱し、新しいスタイル、モノディを用い、新しい時代、バロックの幕開けを飾る記念碑的作品、音楽史上、最初のオラトリオ。クリスティーナ・プルハル率いる、気鋭の古楽アンサンブル、ラルペッジャータを中心に、マルコ・ビーズリー(テノール)、ドミニク・ヴィス(カウンターテナー)ら、個性派歌手も参加して繰り広げられる、カヴァリエーリのオラトリオ『魂と肉体の劇』(Alpha/Alpha 065)を聴く。

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華麗なるヴィルトゥオーゾの時代を、今、輝かせる! [2005]

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どうも、定番の名曲が苦手だったりする... なぜだろう?ちょっと押し付けがましい気がする?いや、名曲というのは、それだけ訴え掛けるものがあって、名曲の名曲たる所以は、間違いなくあると思う。のだけれど、天の邪鬼なものだから、そういう定番に抵抗がある。いや、「名曲」から解き放たれ、もっと柔軟に幅広い視点を持てたならば、クラシックはより刺激的なものになるんじゃないかと... 何より、定番の名曲から少し視線をズラしたなら、そこにはどんな曲があるだろう?という、好奇心を掻き立ててくれる、hyperionの"The Romantic Piano Concerto"のシリーズ。ロマン主義の時代こそ、クラシックの核。で、定番に縛られがち。だからこそ、際立ってマニアックに展開し、定番に風穴を開けてくれる意欲的なシリーズ。その第38弾、ショパンが世を去って後のポーランドと、チャイコフスキーの登場が準備されるロシアのロマン主義を見つめるアルバム...
現代のヴィルトゥオーゾ、マルク・アンドレ・アムランのピアノ、マイケル・スターンの指揮、BBCスコティッシュ交響楽団の演奏による、ヴィルトゥオーゾ全盛の時代を彩った2人のコンポーザー・ピアニスト、シャルヴェンカの1番のピアノ協奏曲と、ルビンシテインの4番のピアノ協奏曲(hyperion/CDA 67508)。ロマンティックの濃度が増す?東欧のピアニズムを聴く。

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ファリネッリが、メタスタージオが、羽ばたいた、セレナータ。 [2005]

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例えば、18世紀の音楽ファンに、18世紀の作曲家といえば?と問うたなら、どう答えるだろう?やっぱり、バッハ?いやいやいや、バッハって誰?なんてことも大いにあり得る。あるいは、カール・フィリップ・エマヌエル?ヨハン・クリスティアン?なんて聞き返されてしまうかもしれない。そう、18世紀当時、我々の知る大バッハよりも、その次男、ハンブルクのバッハ、カール・フィリップ・エマヌエル、その末の弟、ロンドンのバッハ、ヨハン・クリスティアンの方が、格段に知られていた史実... 21世紀と18世紀、この3世紀の隔たりが、それぞれに持つイメージに、どれほどのギャップを生み出しているのか、とても興味深いものを感じる。そして、18世紀の音楽ファンが、きっと名前を挙げるだろう面々が、ナポリ楽派!とにかく、18世紀は、ナポリ楽派の時代だった...
ということで、ナポリ楽派の貴重な場面を切り取る、実に興味深いアルバム。ファン・バウティスタ・オテーロ率いる、スペインのピリオド・オーケストラ、レアル・コンパーニャ・オペラ・デ・カマラの演奏、ロバート・イクスパート(カウンターテナー)、オルガ・ビターチ(ソプラノ)、ベトサベー・アース(ソプラノ)の歌で、ポルポラのセレナータ『オルランド』(K617/K617177)を聴く。

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ハンバーガーズ・オペラ! [2005]

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「音楽の都」というと、"ウィーン"というイメージがとてつもなく強くある。が、音楽史をよくよく紐解いてみると、ウィーンばかりが「音楽の都」でなかったりする。特に、バロック期... ウィーンが音楽の都へと成長する前夜、ロンドン、パリこそが、ヨーロッパ中から音楽家を集めた音楽の都であり。また、オペラ史上最大のブームを引き起こしたヴェネツィアや、オペラの最新モードをヨーロッパ中に発信したナポリもまた音楽の都だった。そして、もうひとつの音楽の都が、ハンブルク。今となっては、あまり知られることのないトピックなのだけれど...
南のヴェネツィア、ナポリばかりでない!北も熱かった、ハンブルクのオペラ・シーンを、序曲、組曲で振り返る、意欲的かつ実に興味深い1枚、ベルリン古楽アカデミーの"Ouvertüren"(harmonia mundi FRANCE/HMC 901852)を聴く。

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18世紀、リヴァイヴァル! [2005]

モーツァルト・イヤーともなれば、どう足掻いたって、モーツァルトからは逃れられない...
そんな状況に、多少なりとも抗ってみようと、いろいろ試みるも、何だかんだでモーツァルトに落ち着いてしまったり。結局、ご多分に漏れず、モーツァルトが好きなのだろうなと。ここまで、すでに8タイトルもモーツァルトを聴いてしまった。が、来年はどうするのだろう?これだけモーツァルトで盛り上がってしまった後で、来年のクラシックはどうするのだろう?なんて、妙なことを考えてしまう。モーツァルト熱の後遺症がちょっと恐いのだけれど。
ということで、今からリハビリ?モーツァルトと少し距離を取りつつ、モーツァルトが生きた18世紀を、20世紀にリヴァイヴァルした、擬古典主義の音楽を聴いてみようか... 久々のモダン・サウンド!
デニス・ラッセル・デイヴィスと、彼が率いてきたシュトゥットガルト室内管弦楽団による、ストラヴィンスキー、擬古典主義の作品集(ECM/472 1862)と、ジャナンドレア・ノセダと、彼が率いるBBCフィルハーモニックによる、ダッラピッコラの作品集(CHANDOS/CHAN 10258)を聴く。

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奇想。 [2005]

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いつも気になりながら、まだ一度もそのCDを手にしていなかった、フランスのレーベル、æon。コンテンポラリーとクラシックの2つのラインを持ちながら、どちらもかなり個性的なアルバムを繰り出す、チャレンジングなレーベル。そのサイトも凝っていて、そんな個性的なサウンドも、いろいろ視聴できて、時折、覗いていて...
そこで、ふと耳にしたオルガンのアルバム。何気に、オルガンを聴いてみたいなと思っていたところに、不思議なテイストの作品と思いがけなく出会う。ルヴェルが弾く、カンポのカプリッチォ。こんなのも、アリなの?と、妙に、目から鱗なオルガン作品。これは、ちゃんと聴いてみたい... と、早速、取り寄せてもうら。そうしたら、これが、ちょっと普通じゃないアルバムで... いとも奇抜なるパイプ・オルガン・ア・ラ・カルト、ルヴェルの"Passions"(æon/AECD 0420)。そんな1枚。

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フォークロワを彷徨うノマドになって、 [2005]

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私たちは、今、何処に生きているのだろう?
狭い日本を忙しなく生活していても、我々の日常は思い掛けなく深く重く世界とつながっている。インターネットから覗く、世界中の情報ばかりではない... そのPCを、スマートフォンを動かしているエネルギーは、どこか遠い国の地中深くからやって来ている。何より、我々自身を動かすエネルギー、多くの食べ物(特に穀物... )が、世界中のあらゆるところからやって来ている。だから、ニュースでは、中国の経済状況、アメリカの雇用統計、ユーロ圏の債務処理、緊張高まる中東情勢まで、連日、事細かに伝えられる。遠い海の向こうのことのようで、我々の日常と直結しているグローバル・ライフ... 日本にいながらにして、ただならず世界が我々の下にある不思議。裏を返せば、日本にいながら「日本」であることがますます希薄になっているのかもしれない。そして、それは、グローバル上を漂流するような感覚がある。一見、自由になったようで、どこか心許無いような感覚...
そんな21世紀に共鳴する音楽だろうか?世界中のフォークロワな音楽を集めて、現代音楽として編み直す、世界がひとつの作品の中で響き合う異色の作品。それは、世界を旅した記憶のアルバムのようでいて、世界を漂流するノマドの音楽のようで... 2005年にリリースされた、クラシックにしてアヴァンギャルドを厭わないソプラノ、ドーン・アップショウが、ジ・アンダルシアン・ドッグの刺激的な演奏で歌う、パワフルな1枚、"Ayre"(Deutsche Grammophon/477 5414)を聴き直す。

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魔術師リストの、見世物小屋に迷い込む? [2005]

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さて、11月はクラシック!クラシックど真ん中、19世紀をフィーチャー!
ということで、チャイコフスキーに続いてのリスト... なのだけれど、一時期、リストは、リリースを減らしていた?そんな印象がある。とにかく華麗で、時にダークで、ピアノ作品であるならば超絶技巧を誇って、19世紀的けれんをこれでもかと味合わせてくれるその作品。19世紀音楽の宝石箱やぁ~ とか言いたくなるのだけれど、実はそのあたりが、どこかで忌避されていた?クラシックにあっても現代的なセンスが求められる昨今、いかにもクラシックな、19世紀風?20世紀の大時代的なスタイルが過去となり、リストという存在もまた、そういう時の流れの巻き添えをくっていたような... 一方で、クラシックがスタイリッシュになりつつあるからこそ、際立つリストの音楽でもあって。そんなリストが、昨年の生誕200年を機に、再び盛り上がりを見せるのか?いや、何でもアリな21世紀だからこそ、リストの劇画調な音楽は、逆にカッコいい!と、今は、強く言いたい!のだけれど... どう?
そんなリストを思う存分に炸裂させる、2005年にリリースされた、ジョス・ファン・インマゼール率いる、ピリオド・オーケストラ、アニマ・エテルナによる、「死の舞踏」、交響詩「前奏曲」といった、リストの代表作を集めた1枚(Zig-Zag Territoires/ZZT 041102)を聴き直す。

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19世紀、エキゾティック、スーブニール... [2005]

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チャイコフスキーリストメンデルスゾーン...
クラシックの、最もクラシックなあたりを聴き進めております、11月。改めて、集中的に19世紀のコテコテなクラシックを聴いてみると、「コテコテ」の向こう側にある、その音楽の真実の姿というのか、人気作品がなぜ人気を集めるのかを見つめ直すいい機会にもなって、何だか新鮮、何より納得。なおかつ、「コテコテ」であることの魅力!21世紀となって、クラシックにおいても現代的な感性、ステイリッシュさが求められる傾向は強くなっているわけだけれど、そういうモードにあって、「コテコテ」のある種のカッコ悪さが、かえってクールにも感じたり。オリジナル主義、ピリオド・アプローチで聴いたからこそ、そうしたあたりがまた強調されるのか。カッコ悪さこそがインパクトを生むおもしろさ!そういう点で、19世紀、クラシックが最も景気の良かった頃の音楽が持つ押し出しの強さ、時として厚かましさ?が、どこかスマートになり過ぎる帰来のある21世紀のクラシックに、何かメッセージを発するようで、とても興味深く、刺激を受ける。ということで、今回は、シェヘラザード!
再び、ジョス・ファン・インマゼール率いる、アニマ・エテルナ... 2005年にリリースされた、ピリオドによるリムスキー・コルサコフの「シェヘラザード」に、ボロディンの「だったん人の踊り」など、19世紀、ロシアの作曲家たちによるエキゾティシズム(この異国趣味も19世紀を語る重要なキーワードだよな... )を堪能する1枚(Zig-Zag Territoires/ZZT 050502)を聴き直す。

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ピュア・トーンが浮かび上がらせる、"ピュア"なマーラーの愛らしさ。 [2005]

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クラシックのコテコテ... "19世紀"に耽溺し、溺れ始めている、11月。
それら、最も「お馴染み」のクラシックではあっても、オリジナル主義、ピリオド・アプローチで聴いてきたからか、何か違う感覚で、溺れてゆくような、少し奇妙な境地に至りつつある?そうして、ぼんやりと見えてくる"19世紀"の人間臭い姿。見慣れた、アカデミックなクラシックの、一張羅を着て厳めしくポーズを取ったポートレートとしてではない、そのリアルな日常を覗き見るような、変に近い距離感に、少し眩暈を覚えつつ、いつの間にか、これまで以上に惹かれてしまうのか。そんな"19世紀"の帰結点として、マーラーを聴いてみようかなと。
2005年にリリースされた、ロジャー・ノリントンと、彼が率いたシュトゥットガルト放送交響楽団による、マーラーの「巨人」(hänssler CLASSIC/93.137)を聴き直す。

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