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天邪鬼はかく語りき。 [2006]

ジャンルを越境するサウンドというのは、魅力的なものが多いように思う。
ジャンルの内側に留まっていればいいものを、あえて飛び出し、畑違いに挑む危うさ... いや、その危うさこそ魅力?内側に籠りがちなクラシックならば、余計にそんなことを思う。クラシックという取り澄ました場所から、あえてジャンルを越境する危うさが生み出す刺激というのか... そんなジャンルを越境するサウンドが、いつも気になる。というのも、近頃のクラシックに緊張感はあるだろうか?危うさはあるだろうか?どこかでユルい空気感の中に安住してしまい、新たな未来が描けないままでいるように思えて。クラシックは好き... だけれど... そんな不完全燃焼な気分が、クラシックから飛び出そうという試みをつい求めてしまう。そんなアルバムを2タイトル...
注目のヴァイオリニスト、ベンヤミン・シュミットによるジャズ、"Hommage à Grappelli"(OEHMS CLASSICS/OC 554)。クラリネットのベテラン、ザビーネ・マイヤーによるノン・ジャンル?"PARIS MÉCANIQUE"(MARSYAS/MAR 1801 2)。ジャンルを越境して、大いに刺激してくれる2枚を聴く。

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天国のようにすら感じる4分33秒。カリフォルニアにて... [2006]

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戦後60年... 昨年、盛んに語られたキーワードであったが、戦後50年も、戦後60年も、さほど変わりがないように思えてくる。つまり、我々の社会、我々の世界は、10年前に比べてあまりにも変わっていない。あえて言うなら悪くなってさえいる... 第二次世界大戦という悲劇に真摯に向き合い、改めて歴史を学び直し、成長できただろうか?結局のところ、「戦後50年」、「戦後60年」という言葉が、10年ごとに繰り返されるばかり。そのことに、どれほど意味があるのだろうか?悲劇を悲劇として、しっかり認識し、今後、起こり得るかもしれない悲劇を、如何にして回避しようか、という模索、努力がなされずに、虚勢と疑心暗鬼が、世界を跋扈している現実。そろそろ言葉だけのレベルから脱却し、成長しなくては... そんな不穏の21世紀に、突き刺さってくるアルバムに出会う。
ドイツ出身のピアニスト、スザンヌ・ケッセルによる、なかなか興味深いアルバム、"CALIFORNIAN CONCERT"(OEHMS CLASSICS/OC 534)。

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雪の夜のトリップ。 [2006]

立春は過ぎたとはいえ、未だ2月...
寒さは、これからが本番。そして、すでに、今、寒い。雪が降っている。で、1月の、あの恐ろしいほどの寒さ、また、戻ってくるのだろうか?一向に見えない春の兆しに、何だか、気も重くなるばかり。もちろん、いずれ春はやって来るだろうけれど... 先のことを考えるのも億劫になるような寒さで... 思考もどこか鈍くなるような... そんな寒い夜に聴く音楽は?フランスの古楽アンサンブル、アラ・フランチェスカによる、ワーグナーではなく中世版のトリスタンとイゾルデの物語を綴る試み、"Tristan et Yseut"(Zig-Zag Territoires/ZZT 051002)。今、最も気になるテノール、マルコ・ビーズリーが、イタリアの古楽アンサンブル、アッコルドーネとともにルネサンス期のヒット・ソングを歌う、"frottole"(CYPRES/CYP 1643)。昔々へと音楽でトリップする2タイトル。

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それがオペラの生きる道? [2006]

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近頃、リリースされるオペラの全曲盤は、バロック・オペラばかり、な感じ...
そんな気がする。というのも、オペラ界、これまでの定番レパートリーに、やや擦り切れ感が漂い始めている21世紀。バロック・オペラは、これまで忘れ去れてきた部分、あまり触れる機会の無かったレパートリーだけに、新鮮味があるわけで... 話題の歌手も、バロック・オペラを歌ってブレイク... ピリオド畑からの逸材が目立つ昨今。スターたちも、こぞってバロック・オペラにチャレンジしてみたり、バルトリのように、もはや専門家の域に達してしまうスターまで... 当然、それらを支えるピリオド界の充実もあって、バロック・オペラ、百花繚乱!のようだ。
そんなモードにしっかり乗っかって、気になる新譜を手に取る。ピリオド系歌手たちがきっちりと揃えられての、アラン・カーティス率いる、イル・コンプレッソ・バロッコによる、ヴィヴァルディ、幻のオペラ、完全版となった『モテズマ』、(ARCHIV/477 5996)を聴く。

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FROGS and the CITY [2006]

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「バロック」というと、ライプツィヒを取り仕切ったバッハである。それから、ロンドンで山あり谷ありの活躍をしたヘンデル。ヴェネツィアからヨーロッパ中を席巻したヴィヴァルディ。普段は、作曲家からバロックというものを捉えているが、これを都市から捉えたらどうだろう?また違ったバロックが見えてくるように思う。
そして、ハンブルク... あまり知られていない、バロック期のもうひとつの「音楽の都」。18世紀、パリ、ロンドンと並び、国際的な音楽都市として存在感を示していたという。そんな一端を聴かせてくれるアルバム、鬼才、アンドレアス・シュタイアーが、チェンバロで、ハンブルクを活写する"Hamburg 1734"(harmonia mundi FRANCE/HMC 901898)。ハンブルクで製作された、当時、最新鋭のチェンバロで、バッハ抜きのドイツ・バロックを繰り広げる興味深いアルバムを聴く。

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そんな大胆さ加減をフルに楽しむ!ときめくメモリアル。 [2006]

モーツァルト・イヤー!ブラヴィッシモ!
何だかんだで、聴く側も、モーツァルト・イヤーに染まってきているのだろう。なんて、もったいぶらず、こうなったら、脳内、モーツァルト満開であることを、否定しない。などと、書いてしまった前回... やはり、モーツァルト・イヤー、抗し難し!次々にリリースされるモーツァルトの新譜、どれもメモリアルだけあって、企画、演奏、気合十分で、興味深いものばかり。ということで、古楽界のカリスマも、やっぱりモーツァルト!ジョルディ・サヴァール率いるル・コンーセル・ナシオンによる「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(Alia Vox/AV 9846)に。ヴィヴァルディのスペシャリストも、ヴィヴァルディではなくて、やっぱりモーツァルト!ファビオ・ビオンディが弾く(もちろん、エウローパ・ガランテを率いて... )、1番、2番、3番のヴァイオリン協奏曲(Virgin CLASSICS/3 44706 2)を聴く。
やっぱりメモリアル。モーツァルトばかりがリリースされ... と、考えなくもないが、メモリアルだからこそのモーツァルトを期待して... そんな大胆さ加減をフルに楽しむ!ときめくメモリアル。

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モーツァルト・イヤーの、PARIS, BRAZIL... [2006]

モーツァルト・イヤー!ブラヴィッシモ!
何ですか?これは?!という、"モーツァルト"まで出てきてしまうメモリアル。メモリアルの醍醐味とは、やはり、そういうものだと思う。いつもより気合を入れて、いつもよりたくさん、ステレオタイプをありがたく拝聴していては、先には進まない... メモリアルだからこそ、これまで見落としがちであった、その人物の様々な面を探る。そうして見えてきたものが、次の時代の新たな人物像を作っていく。ような、定期健診が、メモリアルだと思うのだけれど... 2006年、生誕250年のモーツァルト・イヤーは、どうだろうか?
演奏し尽された観も無きにしも非ずなモーツァルトだけに、ただ新しいディスクをリリースしていては、注目は集まらない... とばかりに、次々と興味深いアルバムがリリースされている。2006年もやっと春を迎えたところだが、こういう状態が、年内、まだまだ続いていくのかと思うと、ワクワクする反面、財布がキツくなるのだろうな... いや、すでにキツイ!が、止められない... ということで、前回に続いてのモーツァルト・イヤー!ブラヴィッシモ!モーツァルト、波乱の1778年、パリにて... を綴る、フライブルク・バロック管弦楽団のアルバム"CONCERTANTE"(harmonia mundi FRANCE/HMC 901897)。ジャン・クロード・マルゴワール率いる、ラ・グラン・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワらによる、驚くべきリオ版... モーツァルトのレクィエム(K617/K617 180)。メモリアルなればこそ!極めて興味深い2タイトルを聴く。

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眼鏡を外して、化粧を取って... [2006]

どこの化粧品メーカーの広告?
そんなジャケットに、つい目が行ってしまった、デセイのアルバム。で、そこに写っているモデルは誰?と、よくよく見れば、このアルバムの歌手と指揮者。デセイとアイム。その2人の変わり様に驚きつつ、ちょっと感心してみる。それにしても、見た目にあまり頓着しないのが、これまでのクラシックの面々。音楽で勝負するならば、見た目なんてものは、気にする者ほど二流?聴く側にも、そういう空気はあったかもしれない。が、やっぱり、小奇麗にしていて失敗はない。そして、近頃のクラシック、そういうあたりにも少し気を使い出しているのか?小難しいクラシック... というイメージ、せめてパッケージだけでも払拭してみる。というのは、大いなる一歩のようにも感じる。例え古典であったとしても、21世紀におけるクラシックのヴィジュアルは、より新しいものであってもいいのかもしれない。というより、イメージの刷新は大歓迎!デセイとアイムの変身ぶりに、そんなことをふと思う。
さて、音楽に話しを戻しまして、そのデセイのアルバムを含む、ヘンデルを2タイトル... まずは、ケヴィン・マロン率いる、アレイディア・アンサンブルの『水上の音楽』と『王宮の花火の音楽』(NAXOS/8.557764)。ナタリー・デセイ(ソプラノ)が、エマニュエル・アイム率いる、ル・コンセール・ダストレの演奏で歌う、イタリアン・カンタータ集(Virgin CLASSICS/3438422)を聴く。

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王が踊るのをやめた後、 [2006]

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悲劇女優、ジャンスによる、フランス・オペラ史、第1章...
17世紀、イタリアで誕生したがオペラが、ヨーロッパへと広がり出す中、独自のスタイルを模索したフランスのオペラ。華やかなイタリアに対して、荘重さとリアリティを求めたフランス。そうして育まれた伝統、トラジェディ・リリク(音楽悲劇≒オペラ・セリア)からのアリア(エール)を集めて。リュリによる『アルミード』(1686)から、グルックによる『アルミード』(1777)まで、およそ100年にわたるフランス・オペラ史の第1章を、丁寧に綴る希有な1枚。ピリオドでの活躍が光るフランスのソプラノ、ヴェロニク・ジャンスと、フランスのピリオド・オーケストラ、クリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリクの演奏による"TRAGEDIENNES"(Virgin CLASSICS/346762 2)を聴く。
バロック・オペラ・ブームに乗って、単なるバロック・オペラ・アリア集が散乱する現状を見渡せば、まったく驚くべきアルバム!マニアックに音楽史を追求しつつ、アルミードで始まり、アルミードで終わるというエスプリも効かせ、何より、すばらしい歌と演奏!

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作曲家で指揮者。というスタイル... [2006]

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近頃、気になるのが、作曲家で指揮者というスタイル。
かつては、作曲家=指揮者であったわけだが、次第に分業化されていった作曲家と指揮者という職業。けれども、ここにきて、何となく、かつての形がリヴァイヴァルしてきているような... で、そんな大御所が、ピエール・ブーレーズなのだけれど、今では、著名指揮者が、実は作曲家でもあった... とか、作曲家が、自作のみならず指揮台にも積極的に立っている... とか、いろいろなパターンがあって。それぞれにスタンスは違うのだろうけれど、こうした気運、大いに歓迎したところ。20世紀、「指揮者」の存在は、少し大きくなり過ぎたのかもしれない。が、そういう「指揮者」のイメージは、一時代を築いた伝説のマエストロたちの死とともに崩れ始め、今では、よりフレキシブルで、よりニュートラルな人物が、指揮台に立ち、オーケストラと向き合い、対話することで、新たな音楽が紡ぎ出されているのか... そうした中で、作曲家による指揮というのが、また独特な感覚をもたらしているように感じる。それは、指揮をするというより、改めて作曲されてゆくような、不思議な真新しさを見出すことがある。作曲家の指揮と、専業指揮者の指揮、この聴き応えの違いは、ライヴにしろ、ディスクにしろ、いつも、興味深い。
さて、そんな作曲家で指揮者のひとり... ハンガリー出身の気鋭の作曲家、ペーテル・エトヴェシュの指揮による、ストラヴィンスキー... ユース・オーケストラ、ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニーを指揮してのバレエ『春の祭典』と、首席客演指揮者を務めているイェーテボリ交響楽団とのオペラ『マヴラ』を収録した興味深いアルバム(BMC/BMC CD 118)を聴く。

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